【暇つぶし】ネットユーザーが語る奇妙な出来事
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ざしきわらし
^11/02/19 14:05
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仕事人間の主人公。妻と子供を連れて久しぶりに田舎に帰るときも車を運転しながら携帯で仕事の話をしている。妻に『実家に帰るときくらい・・・』と注意されるが『仕事なんだからしかたないだろう!』と悪びれる様子はない。
実家につき、縁側に座っていると庭をおもちゃのプロペラ飛行機が舞っている。
それを見た主人公は子供の頃を思い出す・・・。
主人公がまだ小学生の頃、周りの子供達と仲良くなれずいつも弟とばかり遊んでいた。
そんなある日、手作りのプロペラ飛行機を山の中でなくしてしまう。弟と2人で山の中を探していると和服姿の奇妙な少年と出会う。その少年は山に詳しく、いとも簡単に飛行機を見つけてくれた。
日が暮れた頃心配した母親が2人を迎えに来た。
無くした飛行機をあの少年が見つけてくれたんだ、と指をさすが、母親にはその少年が見えないと言う。
翌日もまた山でその少年と遊ぶ主人公。馴染めなかった地元の子供達とも仲良くなれて、大勢の友達を家に連れてくるまでになる。
母親はみんなにぜんざいを振る舞ってくれたが和服の少年の分だけたりない。主人公は母親に「ひとつ足りないよ」と言うが母親は「あってるじゃない」と取り合ってくれない。主人公は少年に謝るが、少年は「馴れてるからいいんだ」と言い「もう帰るよ」と言い出した。主人公は「明日も遊ぼうよ」と約束した。
帰っていく少年を見てひょっとしてあの子は子供にしか見えないのでは?と考える主人公。
祖母に少年の事を話すと「それは座敷わらしだよ。子供にしか見えないが家の守り神になってくれる良いおばけなんだよ」と教えてくれた。
その話を聞いた夜、主人公は熱を出して寝込んでしまい、次の日の少年との約束を破ってしまう。
2日間寝込み熱が引いた朝、枕元に葉っぱに乗せたまんじゅうが置いてあった。それからしばらく少年と会えない日が続き、「たぶん怒ってるだろうな・・・」と主人公が考えているとふいに少年が姿を見せた。
『約束破ってごめん』『うん』『友達だよね』『あぁ、ずっと友達さ』『また遊べるよね』『・・・・・・・』返事はなかった。
主人公が回想から覚めたとき息子が地元の子供達を引き連れて帰ってきた。
『あらもう友達が出来たの、子供はいいわね』と微笑む妻。『ぜんざいが出来上がったからみんなで食べなさい』
縁側に座る息子と子供達に妻がぜんざいを手渡す。『あれ?ひとつ足りないよ』と息子が言う。『えっ?人数分あるはずよ』と妻は不思議がる。それを聞いた主人公が少し微笑む。『ごめんごめん、今持ってくるよ』と立ち上がって台所に走る。ぜんざいをお椀に入れて戻ってきて『はい、お待ちどうさま』と息子の横に置いた。彼にもその姿は見えていなかったがあの時の少年がきっといるはずだ。主人公はその縁側に向かって優しく話し掛けた『よく来たね』
携帯が鳴る。主人公は『あぁその件は帰ったら聞くよ』と電話を切った。
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