【暇つぶし】おまえらの願いを1つずつ叶えてやろう。



10 だくやま
^12/08/19 13:15
F:N02B

○海
次男N「僕たちは遭難してしまった・・・」
   海を漂うボート
   瀕死の3兄弟
次男N「はじめは父もこのボートに乗っていたのだが・・・」
○回想
父「おい・・・このボートすげぇいきおいで沖に流されてるぞ!!。お前らはここにいろ!俺が人呼んでくっから・・・」
次男「そういって父は泳いで岸へと向かったのだが、安否が心配である。
○海
次男N「こんな状況下でも、父の心配をしてしまう私はどれほど優しい人間なのかと自分がいつにもまして愛おしく感じた。」
○無人島
次男N「意識が失っては意識を取り戻すという行為を2、3度繰り返したときに波の揺れを感じないことに気が付いた。そう、僕達は無人島に漂着していたのだ。」
   驚いて起き上がる次男
   長男と三男を揺する。
次男「なァおい起きろよ。兄さん。タケル。」
次男N「二人の体を揺するが反応はもはや虫の息だった」
   次男、ボートを岸の奥へ引きずる
次男N「『このままでは二人が死んでしまう』そう思った私は500mlのペットボトルを二つ持って無人島の中へと水を求めて入っていった。」
○無人島の森
次男N「真水は思いのほか簡単に見つかったのだが、帰り道で迷ってしまった。
 焦れば焦るだけ、歩幅は広がり、呼吸は乱れる。薄暗いということもあり、周囲が全て同じ景色に見えた。」
   右往左往を繰り返す
   行っては戻るを繰り返す。   一度、考え込む
次男N「『一回どこかに突きぬけてしまえば、そこから周囲をグルっと廻ってあの岸にたどり着ける』そう思った私は一心不乱にまっすぐに歩いた。」
   森を抜け岩壁へ出る。
   靴のヒモをほどいてペットボトルを腕に巻きつける。
   薄暗い海へ飛び込む
○漂着した岸
次男N「わたしの思惑通り、元居た岸へ戻ることができたが、ペットボトルはひとつなくなっていた。」
   兄弟2人に水を与える。
次男N「私にできることはこれ以上なにもない・・・あとは、二人の生命力に賭けるしか・・・」
   砂浜に座りこむ次男
   海を呆然と見つめている。   数時間後、2人の兄弟は息を吹き返す。
長男「・・・・」
   長男ゆっくち起き上がる。次男「に、兄さん、大丈夫・・・?」
長男「あぁ・・・。」
次男「いつもはうるさいぐらい元気な兄さんの言葉少なな返答に、
 私はこの時初めてこの状況に不安を感じた」
  さらに数時間後、三男目を覚ます。
三男「・・・」  
  長男と二男は黙って、砂浜に座りこんで海を見つめている。
三男「に、兄さんたち、ここはどこなの?・・・・どうなったの僕達・・・」
長男「無人島だよ。」
   次男、安堵の表情。軽く微笑む。
三男「え?無人島?僕達これからどうするの?」
長男「そうだなァ・・・とりあえずは食料と何か使えそうな道具でも探すか・・・」
次男「でも、今日はもう暗いから・・・明日にしようよ。」
長男「それもそうだな。今日はもう寝よう。」
三男「・・・・」
   困惑の表情
次男N「でも僕達3人は眠ることはできなかった。明くる日、陽が出てくるのを持ってようやく食料の捜索に乗り出した。」
   二時間後
次男N「僕と弟は小さな木の実や何かに使えそうな漂着物を抱えて戻ってきたのだが、兄が持ってきたのは古びたランプひとつだけだった」
長男「なぁ・・・俺こんなモノ見つけっちゃったんだけど・・・」   次男・三男目を合わせる
   次男、ため息
次男「兄さん、ちゃんと探せよ。こんなときまでふざけるなよ・・・」
次男N「兄さんは子供の時からこうだった。鬼ごっこやかくれんぼもすぐにふざけて成立したことがない」
長男「でもさ、コレ擦ってみたら、もしかしたら、もしかするぞ。」
次男「はいはい、わかったわかった。・・・」
   次男、背を向け食料捜索へ向かう。
   三男も次男を追う形で歩く   長男ランプをこする。
長男「お?・・・」
   辺りが煙に包まれる
   異変に気付き振り返る次男と三男。
次男「に、兄さん、何コレ?え?何コレ・・・」
三男「え?どうしたの一体・・・」
   驚く三人
   煙の中から影が現れる
   徐々に煙が消え、魔人の姿が浮き立つ。
魔人「願いを叶えてしんぜよう!!三つの願いをいいたもぉ・・・」
次男「ね、願いってなんでもいいんですか?」
魔人「あぁなんでもいい・・・」
長男「おい、ゆきお(次男)俺がランプ擦ったんだから、俺が先だぞ!!」
次男「う、うん・・・」
長男「ま、魔人さん、おれは家に帰りたい」
魔人「了解(重低音)」
   長男、閃光に包まれ、彼方へ飛んでいく。
   驚く次男と、三男
次男「あ、俺も家に帰りたい!!」
魔人「同じ願いはダメだ!!(重低音)」
次男「え?なんで?まずその理屈を教えてくれよ」
魔人「別にいいが、それを教えるということはお前の願いを一つ叶えることになるが、それでもいいのか?」
次男「それは、ダメだ・・・わ、わかった、それじゃオレは家の風呂に入りたい」
魔人「了解」
   次男、閃光に包まれ彼方へ飛んでいく。
魔人「最後はお前だな。お前はどうする?(重低音)」
三男「ちょっと待って、考えさせて・・・」
   考え込む三男。
   しばらく考え込む。
三男「よし、わかったぞ。僕は、兄さんたちに会いたい!!」
   次の瞬間。
   シャンプーで泡だらけの次男と
   ドライヤーを持った長男が
   無人島へ舞い戻ってくる。
   呆然と砂浜に立ちつくす長男と二男と三男。
   困惑の表情を浮かべる三男
魔人「では280年後にまた会おう。(重低音)」
   魔人に煙になってシュルルゥとランプへ入る。
   立ちつくす三人
三兄弟「ウソだろぉ〜〜〜」
   無人島の引きの画に三人の声がこだまする



前置きが長すぎるな・・・

世にも奇妙な物語とかで使えるよね。過程をもうちょっと考えなきゃならないけど、落ちは面白い。





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