オーストリアの共同研究チームが5日発表した試験的研究の結果で、犬には肺がん患者を嗅ぎ当てる高い能力があることが示された。肺がんの早期発見につながる可能性がある。
研究チームの1人で、オーストリア北部クレムス(Krems)の病院の呼吸器科部長、ペーター・エールハルト(Peter Errhalt)氏は、「犬は何の問題もなく、腫瘍のある患者を識別する」と話した。エールハルト氏によると、犬は120の呼気検体の中から70%の確率でがん患者の呼気を嗅ぎ当てたという。
この結果は、がん患者のそばにいた犬が奇妙な行動を取ったという事例や、2011年にドイツの研究チームが実施したものなど同様の小規模な先行研究の結果とも合致する。
今回の研究チームの一員であるウィーン(Vienna)のオットー・ワーグナー病院(Otto Wagner Hospital)のミヒャエル・ミュラー(Michael Mueller)氏は、最終な目標は病院に犬を配置することではなく、犬が検知している臭いを突き止めることだと説明した。
ミュラー氏は、この臭いが分かれば将来的に「電子鼻」ともいうべき機器の開発が可能になり、肺がんの早期発見、ひいては患者の生存率の劇的な向上につながる可能性があると話した。
[AFPBB News]