健康なキリンを殺処分して来園者の目の前で解体し、ライオンの餌にしたことで批判されたデンマークのコペンハーゲン動物園(Copenhagen Zoo)が25日、ライオンの成獣2頭と、その子どもである生後10か月の2頭を24日に殺処分したと発表した。若いライオンを群れのリーダーにするためだという。
動物園は声明で、「ライオンの群れの自然な構造と行動を考慮し、成獣2頭と、まだ自力で自分の身を守ることができない幼い2頭を安楽死させる必要があった」と述べた。これらの子ライオンについては、「新しく群れを率いる雄ライオンが、チャンスを得ればすぐに殺していただろう」としている。
同動物園にいる2012年に生まれた2頭の雌ライオンは繁殖適齢期に達しており、数日以内に新たな雄ライオンとの同居を始めるという。
動物園の広報担当者はAFPに対し、4頭のライオンを受け入れる動物園を探したが見つからなかったため殺処分したことを明らかにした。ただし、「飼育しているすべての動物を来園者の前で解体するわけではない」として、ライオンを多くの人の前で解体する予定はないと述べた。
■生え抜きライオンを群れの中心に
同動物園のシュテフェン・ストレーデ(Steffen Straede)最高経営責任者(CEO)は、「当園はライオンの飼育で世界的に知られている。園内で生まれたライオンの1頭が新たに群れの中心になることを誇りに思っている」と述べた。
ただ、1歳半のキリン「マリウス(Marius)」を、家畜銃を使って殺した後に子供たちの目の前で解体し、餌としてライオンに与えたことは、インターネットでマリウスの助命嘆願に署名していた動物を愛する世界中の多くの人たちにショックを与えた。同動物園のベンクト・ホルスト
(Bengt Holst)氏は先月、殺害の脅迫を受けた。
同動物園はホームページで、欧州動物園水族館協会(European Association of Zoos and Aquaria、EAZA)の規則でキリンの近親交配は避けるべきと定められていることから、繁殖適齢期に達する前にマリウスを殺処分せざるを得なかったと説明している。
マリウスの殺処分を受けて、動物の扱いに関する倫理の専門家が動物園で飼育されている動物の「通俗的な商業化」を非難するなど国際的な批判が起きた。この反応にデンマーク国民の多くは驚き、反発する声も上がっている。
[AFPBB]
http://www.afpbb.com/articles/-/3010987
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