電気メッキ業「黒坂鍍金めっき工業所」(本社・東京都大田区)は26日、岩手県花巻市二枚橋の花巻工場のタンクから、毒性が強いシアン化合物が含まれる廃液5~6トンが流出したと発表した。
同社によると、ほとんどは雪に付着し、同社は大半を回収したとしている。
同社によると、漏れ出た廃液は、ニッケルメッキの剥離液の廃液。劇物の青酸ナトリウムを10%含んでおり、廃液1リットルは25人分の致死量にあたり、単純計算で約12万5000人分に相当するという。25日午前、除雪作業中の業者が、タンクのバルブに接触。破損部分から廃液が外に漏れ出した。
市が25日に周辺2か所で行った検査で敷地外にある集水マスの水から、水質汚濁防止法の排水基準の140倍にあたる1リットル当たり140ミリ・グラムのシアン化合物を検出。26日の検査でも、集水マスから水が流れ込む貯水池などへの流出を確認した。同市は「河川への流出は確認されておらず、健康被害の報告は受けていない」としている。
[読売新聞]
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130226-OYT1T01215.htm