「燃料デブリ」「償却資産係数」。東京電力が24日に福島県会津若松市で開いた福島第1原発事故の住民説明会で専門用語を連発し、住民が「ちんぷんかんぷんで分からない」とさじを投げ、相次いで退出する一幕があった。
説明会は原発事故で避難している福島県富岡町の住民が対象。東電の担当者は事故収束作業と不動産の賠償金の説明で、「燃料デブリの取り出しを開始する」「建物の時価相当額は償却資産の帳簿価格と償却資産係数を掛け合わせる」などと専門用語を多用した。
説明中、数人の町民が「専門用語だらけで説明になっていない」と声を上げ、会場を後にした。
その後も同様の説明が続き、退室に拍車を掛けた。開始時は70人がいたが、終了時は50人に減っていた。
新潟市から参加した無職渡部義一さん(71)は「町民に理解してもらおうという気がない。
形だけの説明会ならやらなくていい」と話した。
東電復興本社会津若松事務所の大伴司所長は「町民は理解できると思っていた。今後は工夫したい」
と述べている。東電によると、燃料デブリは核燃料棒が溶けて固まった物だという。
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