カフェインにはかねてから記憶増強効果があると言われていたが、長期記憶に関しての研究はあまりおこなわれていなかったそうだ。今回、米ジョンズ・ホプキンス大学のマイケル・ヤッサ率いる研究チームは、カフェインが長期記憶にもたらす影響を調べた。
その結果、200mg(濃いエスプレッソコーヒーなら2杯分、普通のコーヒーなら4杯分)のカフェイン摂取で24時間以内の記憶力が確実に向上していたことがわかったそうだ。少なくとも1日間は記憶が強化されていることになる。
研究チームは若くて健康な160人のボランティア被験者に協力してもらい様々な写真を見せた。その5分後に、被験者を2つのグループに分け、一方にはカフェイン200mgの錠剤が入ったコーヒーを、もう一方には偽薬の錠剤が入ったコーヒーを飲んでもらった。
翌日、両グループにもう一度、様々な写真を見せた。写真には前日見せたもののほかに、新しいものも含まれていた。その中には、前日見せた黄色いラバーダックとは大きさが異なるラバーダックなど、微妙に違う写真も含まれていた。
その結果、両グループとも、前日になく、新たに追加された写真がどれなのかを区別する質問の正解率は同じだったのに対し、似ているけど同一ではない写真を特定する質問に関しては、カフェインを摂取したグループの方がかなり正確度が高かったという。
同様のテストをカフェイン100mg、300mgにした場合でも行ったそうだが、100mgでは記憶力をアップさせる傾向はみられず、300mgにしたところで200mg以上の効果はなかったという。
実験より、適量のカフェインには、短期と長期の両方の記憶をつかさどる脳の「海馬」に影響を与えるということがわかった。また、その量も多すぎず少なすぎず適量で効果的に作用するということもわかった。
1日200mgのカフェインが適量ということなのだけど、コーヒーに換算するといエスプレッソコーヒーなら2~3杯分、通常のコーヒーだと約4~5杯分だ。日本で市販されているレッドブルなら、250ml缶1本で80mgのカフェインが含まれているので2本半という計算になる。
さらに緑茶・紅茶だと1杯約30mgなので7杯、玉露に至っては1杯180mgだから1杯ちょっと。そう考えると既に1日200mgのカフェインを毎日摂っている人も多いんじゃないかな?
アメリカ人は平均で1日に300mgのカフェインを摂取しているという。カフェインは記憶だけでなく、鎮痛効果、消化促進効果、糖尿病予防、うつ予防効果もあるといわれているが、逆にカフェインの過剰摂取は逆に心拍数の増加、不安障害、血圧の上昇や頭痛などの負の効果をもたらす諸刃の剣でもある。カフェインの服用は用法用量を守って正しくお使いくださいってことだ。
[カラパイア]
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52151166.html
統計学では1万人に試して初めて結論としている。たった160人じゃね。