一攫千金を夢見る者の願望につけ入り、あの手この手でカネを詐取する“情弱ビジネス”。インターネットの普及も相まって情報の選別は困難になり、猛威を振るっている。
近年は、フェイスブックやLINEでも無料占いを提供し、個人情報を収集している。「ネット上に氾濫する占い系サイトの一部は、最初から占いで儲ける気などさらさらなく、真の目的は個人情報の収集にあります」
こう明かすのは、複数の占いサイトを運営する加藤健吾氏(仮名・37歳)。集客のための強力な武器が、いまや大手から中小まであらゆる占いサイトが採用している“無料占い”ページだという。
「情弱の占い女子を呼び込む撒き餌のようなもの。普段は警戒する人でも、占いとなると急にガードが緩くなるんです。
しかも無料となれば、いとも簡単に本名や生年月日といった個人情報を落としてくれる。こうした情報は裏でつながる占いサイトグループ間ですぐに共有されてしまいます」
占いとなると、趣味嗜好から好きな男性のタイプ、経済状況まで、つい本音を漏らしがち。こうした情報は出会い系や婚活系サイト、スピリチュアルグッズの販売と極めて親和性が高く、さまざまな業者から引く手あまただ。
「私も電話やチャット、メール鑑定で得た顧客の詳細な個人情報を付き合いのある業者に定期的に売っています。実はこの儲けのほうが、純粋な占いで得られる儲けよりもずっと多い。月に30万~50万円の利益をひとつのサイトから稼げます」
とくにスピリチュアルグッズの販売業者には、占いグループからの情報が重宝されている。
「恋愛で悩む人には恋愛運のパワーストーン、借金で悩む人には金運アップのお守りをすすめる、という具合です。この場合、個人情報を売るだけでなく、自分のサイト上にバナーを貼って客を飛ばし、マージンも得ています」
「大手占い会社は裏でつながっていて情報は筒抜け。また、占いに頼る人は、情弱で意志が弱いため押し売りしやすい」(加藤氏)
占いサイトの背景にはこうした闇が広がっているのである。
「メール占いなどの文面は、ネットで募った主婦や学生などの素人ライターに二束三文のギャラで書かせているから、コストもかからない。いい商売でしょ?」
どこまでも“情弱”をしゃぶり尽くすビジネスモデルなのだ。
[via:https://nikkan-spa.jp/1398442]