カイロのエジプト考古学博物館に収蔵されているツタンカーメン王のマスクが破損し、接着剤で修復されていた問題で、博物館員8人が起訴される見通しであることが25日までに分かった。
エジプト当局によると、同博物館の修復担当者6人と復元部門の元責任者2人が、職務怠慢などの罪で起訴される。
マスクはあごひげの部分が外れ、取り急ぎ修復されていたことが2014年に発覚。
管理担当者の1人は当時、マスクが清掃作業中に落ちて壊れたため強力な接着剤で直したが、接着部分にすき間ができてしまったと説明していた。
検察当局は修復作業が規定の手順に沿っていなかった可能性があるとみて、昨年から捜査を開始。
23日に国営メディアを通した声明で、「職員らは世界最古の文明が生んだ3300年前の遺物を手荒く扱った」として、起訴する方針を示した。裁判の日程には言及していない。
マスクは問題が発覚した後、専門家チームが改めて修復し直した。
[引用/参照/全文:http://www.cnn.co.jp/world/35076706.html]
23日にAFPの記者がマスクを見たところ、外れてしまったあごひげの部分を付け直そうとして接着剤を使いすぎた痕跡が見てとれた。
ある匿名の博物館関係者によると昨年、照明を修理するために展示ケースからマスクを出そうとした際の不手際で、あごひげの部分が外れてしまったのだという。
エジプト考古学博物館の館長は、文化財の保護担当者らによってマスクが破損したという情報を否定した。
マムドゥーフ・ダマティ考古相も、3000年前の遺品がいいかげんに扱われたことはないと明言したが、博物館員たちがなぜマスクを修復する必要があったのかについては説明しなかった。
匿名の博物館関係者はマスクを展示ケースから出す際に
「集中力が欠けていたのか、マスクがケースに当たり、ほとんど落ちそうになったので(学芸員が)腕でマスクを抱えたところ、あごひげの部分が外れてしまった」と語った。
この長いあごひげの部分は、元々は釘のような部材でマスク本体に止めてあったのだが、いつしか外れるようになっていたという。
「そういう(マスクを落としそうになる)ミスは起きるものだ。ところが怖くなった学芸員がさっさと自分で『直して』しまったため、事態が悪化してしまった」
学芸員が使ったエポキシ樹脂系接着剤はとても短い時間で硬化したという。 この関係者は「(本来)修復にはゆっくり硬化する素材を使い、固まるまで数時間~24時間支えておかなければならない」と指摘した。
「修復作業には、ダメージを与えてしまったときに痕を残さず容易に取り除ける接着剤を使う必要がある」
エジプト考古学博物館の館長は半国営の中東通信に対し、エポキシ樹脂系接着剤は文化遺産を修復する際に国際的に使われていると述べている。
[引用/参照/全文:http://www.afpbb.com/articles/-/3037561]