リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した競泳男子米国代表のライアン・ロクテ選手(32)ら4人が強盗被害に遭ったとされる事件で、ブラジルの裁判所は17日、証言に不自然な点があるとして4人に対する出国禁止命令を出した。
ロクテ選手はすでに帰国したが、警察当局は同日夜、出国前の別の選手2人を国際空港で拘束。警察施設で事情を聴いている。
報道によると、ロクテ選手らは14日早朝、タクシーで選手村に戻る途中、警察のバッジを持った男たちに銃で脅され、現金などを奪われたと証言。
だが、選手村入り口の防犯カメラの映像では、4人は腕時計などの貴重品を身につけ、互いにふざけ合うなどして強盗に遭った様子はなかった。
4人を乗せたタクシーの運転手も見つからず、捜査当局はロクテ選手らの証言が偽りの可能性があると判断。
裁判所も選手村の家宅捜索を認め、ロクテ選手ら4人を指名手配していた。
[via:http://www.asahi.com/articles/ASJ8L2HVJJ8LUHBI00B.html]
映像に悪ふざけの様子
英紙デーリー・メール(電子版)は17日までに、事件直後の4人が悪ふざけする様子が映った防犯ビデオ映像を入手、被害申告に疑問を呈する記事を掲載。
メディアによると、地元裁判所は17日、警察に被害を訴えたライアン・ロクテ選手とジェームズ・フィーゲン選手の出国を、虚偽申告の可能性もあるとして禁じたが、ロクテ選手は既に帰国。
フィーゲン選手と残り2人は17日午後、リオデジャネイロの国際空港から出国しようとしたが、警察が認めなかった。
リオデジャネイロの劣悪な治安を象徴する事件として注目を集めただけに、強盗被害が虚偽であれば選手側のモラルが問われることになりそうだ。
4人は14日早朝、リオ南部で前夜からのパーティーに参加した後、タクシーで選手村に戻る途中で銃を持った警官を名乗る一団に襲われたと主張。
車から降ろされて現金700レアル(約2万2千円)を奪われたが、携帯電話は取られなかったと話している。
14日午前7時前の選手村入り口の防犯ビデオ映像には、4人が悪ふざけをしてご機嫌な様子が映っている。
警察の捜査でも4人を乗せたとされるタクシー運転手が見つかっておらず、事件後にどうやって選手村に戻ったかなど不明な点が多い。
[via:http://www.asahi.com/articles/ASJ8L3VL1J8LUEHF00F.html]
【選手村入り口の防犯ビデオ】
ガソリンスタンドでトイレ破壊
リオの警察は18日会見し、「強盗事件はなかった」と断言した。
警察の発表や地元メディアによると、ロクテらは14日未明、タクシーで帰宅途中、トイレに行くため、ガソリンスタンドに寄った。その際、トイレのドアなどを壊し、従業員とトラブルになった。
従業員は警察に通報。ロクテらはその場を立ち去ろうとしたため、拳銃を持った警備員に「座っていろ」と制止された。
結局、ロクテらは示談金として100レアルと20米ドル(合計約5000円相当)を支払い、選手村に戻った。ロクテらは泥酔状態だったという。
ロクテは当初、「拳銃のようなものを持った警官を装ったグループに襲われ、財布を奪われた」などと説明していた。
ブラジルの裁判所は17日、4人の出国を禁止する命令を出したが、ロクテは16日に米国に帰国。
残りの3人はリオに留められている。警察関係者は今後の刑事処分について、「一般論として、器物損壊や偽証の罪に問われる可能性がある」とし、捜査の継続を表明した。
[via:http://www.sankei.com/rio2016/news/160819/rio1608190034-n1.html]
【選手村入り口の防犯ビデオ】
https://www.youtube.com/watch?v=Fd71mxFlSHc