居酒屋チェーンなどを展開する「ワタミ」(東京都大田区)のグループ会社「ワタミの介護」が運営する板橋区の介護付き有料老人ホーム「レストヴィラ赤塚」で昨年2月、運動障害を起こすパーキンソン病の女性(当時74歳)が入浴の際、付き添いの職員が1時間半にわたって風呂場を離れ、女性が水死していたことが分かった。施設側は当初、遺族に病死と説明していた。警視庁高島平署は業務上過失致死容疑で捜査を始めた。
女性の長女(47)によると、女性は09年にパーキンソン病と診断され、10年12月に施設に入所。
昨年1月末ごろからは施設内で転倒を繰り返していた。
事故は昨年2月16日に発生。女性は午後2時15分ごろから入浴し、午後3時40分ごろ、風呂場で心肺
停止状態で発見された。介護保険法に基づく施設サービス計画書では「本人の様子を見ながら必要であれば
洗身、洗髪を行う」などと規定されているが、職員は入浴中、一度も女性の様子を確認しなかったという。
施設側は事故後、遺族に「10分間、目を離した間に心肺停止になった。病死の可能性が高い」などと
していた。しかし、高島平署が施設内の防犯カメラを調べたところ、虚偽の説明だったことが判明。
死因も水死と分かった。施設側はその後、「ほかに入浴者がおり、手が回らなかった」などと釈明した。
女性の長女は「ずさんな施設に母を入所させてしまったことが悔しくてならない」と涙ながらに語った。
高島平署は施設側に過失がなかったか、当時の状況や職員の体制などを調べる。ワタミの広報担当者は
「警察の捜査に全面的に協力しており、コメントは差し控えたい」としている。
[yahoo]