転売目的で万引きの女逮捕[2017/8/25]
徳島県内大手書店「平惣」の小松島店と羽ノ浦店、阿南センター店の3店で、ダイエット関連などの新刊本が795冊万引され、約110万円の被害に遭っていることが24日、同社への取材で分かった。
県警は7月28日、羽ノ浦店で万引したとする窃盗の疑いで阿南市羽ノ浦町の女(40)を現行犯逮捕=同罪で起訴。3店での余罪があるとみて関連を調べている。
平惣によると、7月11日に3店の本の入荷数と在庫数を調べたところ、今年2月から7月にかけて大幅に食い違っており、万引被害と分かった。
翌12日にインターネットのフリーマーケットサイトに羽ノ浦店で万引されたとみられる商品が大量に出品されているのを従業員が見つけた。サイトから購入したところ、被告から商品が届き、同被告が出品者と分かった。
同被告は今年2月ごろフリーマーケットサイトを開設。平惣は、万引した商品を半年にわたって次々と出品していたとみて、店内での行動に警戒していた。
同被告の逮捕容疑は、7月28日午後7時ごろ、羽ノ浦店で雑誌1冊(販売価格1188円)を脇の間に挟んで隠したまま、レジを通らず店外に出たとしている。同店の警備員が呼び止め、小松島署に通報した。
[via:徳島新聞]
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2017/08/2017_15036232797601.html
万引き本800冊出品でも放置!
泥棒市場と化す「メルカリ」
スペイン・バルセロナの郊外にある「エンカンツ」は、ヨーロッパで最も古い蚤の市の一つだ。
ガラクタからブランド品まで何でも揃っていて、以前は観光客の懐から盗まれたばかりのカメラが堂々と陳列されているなんてことも珍しくなかった。別名「泥棒市場」とも呼ばれている所以である。
ところが、スペインまで行かなくても「泥棒市場」が日本のネット上にあるとしたらどうだろう。毎年、倍々ゲームで成長を続け、株式上場も控えた「メルカリ」に疑惑の目が向けられたのは7月上旬のことだった。
現場は徳島県内で書店やレンタルDVD店を10店舗展開する郊外型のチェーン「平惣(ひらそう)」の売り場である。
大量の本が万引きされていた
営業統括部長の後東祐次氏が言う。
「うちは本をPOSシステムで管理しているのですが、仕入れた数と在庫が合っていないという報告があったのです。それも1冊2冊ではなく、1タイトルにつき20冊ぐらいごそっと消えている。
しかも、県南の3店舗に集中していたことから、これは転売目的の万引きにやられていると直感したのです」
数日後、阿南市に住む40歳の女性客の存在が浮かび上がる。ダイエットやトレーニング関係の本を抱えて店内をウロウロする姿を監視カメラなどが捉えたのだ。しかも同じ本を何冊も手に持っている。
店員の視線に気が付くと女性は慌てて本を棚に戻し雑誌を1冊だけ買って出て行く。怪しいと睨んだ店側は念のため彼女が店で作っていたポイントカードから、名前や入店記録を把握しておいた。
盗んだ本を注文すると丁寧な添え書きも
不思議なのは、これほど大量の本を万引きしたとして、どうやって換金しているのかという点だ。
昔と違って古書店チェーンで本を売ろうとすれば身分証明書の提示をしなくてはならないし、新刊本や同一本を複数買い取ることも業界のルールで禁じられている。ヤフーオークション(ヤフオク!)のようなサイトも最近は監視の目が厳しい。が、謎はすぐに氷解する。
「同じころ、パートの店員さんがフリーマーケットサイトのメルカリで新刊本が大量に売られているのを見つけたのです。
調べてみると、その出品者は地元・徳島県在住で、出品数は全体で2000点近く、そのうち半分が新刊本でした。売値は定価か少し安いぐらい。一般人がこれだけの本を買って転売しても損するだけだし、同じ本を何冊も売っている。明らかにおかしかった」(同)
たとえば、20万部を超えるヒットとなった『ずぼらヨガ』(飛鳥新社)は、定価より少し安い1049円。出品者からはこんな添え書きがある。
〈開いてなくとてもキレイな状態です。本屋さんで買おうと思う方ぜひ!!!〉
平惣のスタッフが出品されている本を片っ端から調べると、店から消えた本のタイトルとすべて一致するではないか。試しに1冊だけ注文してみると、くだんの女性客の名前で本が届けられた。
これは間違いない。そう睨んだ平惣は、スタッフを増員して彼女をマーク、そして7月28日、万引きの現場を押さえ、女性客を逮捕したのである。
通報を受けた徳島県警の捜査員が自宅に踏み込むと、部屋には発送前と思しき大量の新刊本が積まれてあったという。
「万引きで立件されたのは現行犯で捕まえた際の1冊だけですが、我々は狙われた3店舗の在庫を改めて棚卸ししてみたのです。
その結果、少なくとも795点、金額にして約110万円の損害が出ていることが分かった。女性客のこれまでの来店履歴と照合した結果、被害のほとんどが彼女による犯行だと考えています」
そう話す後東氏だが、もちろん、これで一件落着とは考えていない。
時価総額1000億円超
後東氏が続ける。
「我々としては警察が立件できなかった被害もすべて調べ上げて民事で責任を追及するつもりです。なぜなら、単なる万引きではなく、盗品をメルカリで大量に売りさばくということをやっていた。
これは小売業界を揺るがす問題です。あまりに簡単に匿名で出品でき、チェックもされない。泥棒にとってこの上ないシステムです。
実際、メルカリで〈新品・未読〉という単語で検索すると、今も新刊本がずらりと出てくる。どれが盗品とは言えませんが、大量の新刊本を個人が売り買いしているのはおかしい。
これを放置しているメルカリは泥棒市場と言われても仕方ありません」
利用者は電話番号など簡単な登録をするだけで品物を売買することができ、その手軽さから1日100万点が出品されているという。
わずか4年前の設立にもかかわらず、今では売り上げ122億円。IT業界では最も成長が期待されている企業でもある。今年の12月には東証への上場が予定され、その暁には時価総額が1000億円を超えるとも言われているのだ。
ところが、ここに来て、多重債務者を狙った「現金」の出品や、援助交際を匂わせる出品が相次いで社会問題になっていることは本誌(「週刊新潮」)でもご紹介した通り。また、盗品が売買されていることも、かねてから指摘されていた。
ITジャーナリストの三上洋氏が言う。
「もともと盗品の売買はヤフーオークションが多かったのです。ところが、ヤフーが顔写真付きの本人確認を求めるなど厳格化すると、手続きが面倒なこともあって売買の主流がメルカリに移ってきた。
合わせるように盗品売買の舞台もメルカリに移ったと言われていました。それでも実態が表沙汰になることは滅多にありませんでしたが、被害を目の当たりにすると、ここまで酷かったのかと愕然としますね」
もっともメルカリでは250人のカスタマーサポートが24時間体制で出品物を監視しており、盗品に関わる照会案件も100万人に6人程度と少ないとしている。
だが、実態はどうだろう。実は平惣の事件の前にも大量の盗品がメルカリで売られていた事例がある。
[via:デイリー新潮]
http://news.livedoor.com/article/detail/13578400/