購入客が腸管出血性大腸菌O157に感染した総菜店「でりしゃす」。9月19日、群馬・埼玉県のスーパー店内などで展開する全17店の閉鎖に追い込まれた。
これまで22名が感染し、そのうち東京都在住の3歳女児の死亡が確認されている。
でりしゃすは客自身が総菜をトングやスプーンで必要を取る、量り売りを行っていた。そのトングが感染源となったのではという見方もあるが、現時点で感染ルートは特定されていない。
「原因がわからないまま営業を続けることは困難。売り上げ、客数とも全店で著しく減っている」(でりしゃすを運営するフレッシュコーポレーションの担当者)。
同社は約2週間の営業自粛を経て9月7日から営業を再開していたものの、結局は全店閉鎖を余儀なくされた。
他のスーパーはパック売りに変更
総菜に力を入れるスーパーは多いだけに、影響は他社にも広がっている。
首都圏のある食品スーパーでは一部店舗で総菜の量り売りを実施していたが、死亡報道があった後、パック売りに変更した。
「総菜の安全について、顧客は相当敏感になっている」(同社)。当初感染源と報道されたポテトサラダは、売り上げが大幅に落ち込んだという。
別の大手食品スーパーでも、9月は総菜の売り上げが前年実績を下回った。特に販売方法は変えていないが、従業員に衛生管理マニュアルの徹底を呼びかけている。
総合スーパーのイオンでは、1日3回だったトングの交換を1時間ごとに変更した。店頭でも掲示し、衛生管理の徹底を消費者にアピールしている。
今回は群馬、埼玉両県で確認されたのと同じ遺伝子型のO157の感染者が12都道府県で確認されており、原因の特定はかなり難しそうだ。
ただ、でりしゃすの衛生管理に問題があったことは事実だ。死者を出した六供店(群馬県前橋市)では、食中毒発覚後に行われた保健所の立ち入り検査で指摘を受けている。
包丁が用途別に色分けされていなかったこと、まな板や包丁、野菜を殺菌に使用するブリーチ(次亜塩素酸ナトリウム)の使用期限が切れていたことなどだ。
衛生管理や食材の製造方法を記したマニュアルはパソコンで見ることになっており、どこまで徹底されていたかは疑わしい。《中略》
ゼンショーのスーパー戦略にも影響
事故の影響は、フレッシュコーポレーションの親会社にも及びそうだ。 あまり話題になっていないが、親会社は牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショーホールディングス(HD)。
同社は「フード業世界一」を経営理念として掲げており、食に関する原材料調達から消費者への提供まで自社で一貫して手掛けることを目指している。
小売事業への参入は食材の調達力向上や販路の多様化を狙ったもので、2012年のマルヤ(埼玉県春日部市)を皮切りに、翌年にマルエイ(千葉県市原市)、2014年には尾張屋(千葉県木更津市)など食品スーパーを相次いで買収してきた。
買収当時、マルヤは赤字だったが、不採算店の閉鎖、店舗改装、品ぞろえの拡充といった対策が奏功し、2016年3月期には小売事業として黒字化を果たしている。
すき家で発覚した深夜の1人勤務(ワンオペ)や長時間労働への対応もあり、2014年8月の尾張屋以降はM&Aを控えてきた。
労務問題にメドがついた2016年11月、創業家から買収したのがフレッシュコーポレーション(当時フジタコーポレーション、今年5月に現社名に変更)だった。マルヤと違い、買収時から利益を出す(2016年3月期に売上高253億円、営業利益8.6億円)゛優良会社”だった。
フレッシュコーポレーションは、でりしゃす以外にも「フジマート」「アバンセ」「マルシェ」というスーパー3業態を展開している。でりしゃす17店のうち、10店はこれらの系列店にインストアとして出店している。
食の安全に力を入れてきたはずなのに・・・
ゼンショーHDは「展開エリアやブランドが異なるため、今回の食中毒がゼンショーの小売事業や全体の業績に影響することはない」とする。確かに、小売事業は黒字化したといっても、HD全体の利益のわずか5%程度でしかない。
ただ、ゼンショーHDは食の安全に力を入れてきただけに、今回の事件はイメージとのギャップが大きい。
[via:http://toyokeizai.net/articles/-/190009]
記者会見に出席した前橋市の保健所長は「バイキングやサラダバーなど客が自主的に盛りつける際の管理が不十分な面が今回、見受けられる」と述べ、トングの使い回しなど何らかの原因で菌が付着し、二次汚染した可能性があると指摘した。
この会見を受けてメディアは、まるでその店舗で使われていたトングからO157が発生したかのように一斉に報じた。
惣菜店はババを引かされた?
しかし、「犯人」は本当にトングなのだろうか。
今回のO157は同型の遺伝子の菌が全国12都県、100名以上に拡大した、厚労省の言い方を借りれば「広域発生」である。
群馬や埼玉だけでなく、遠く富山県や滋賀県、香川県の感染者にも「同じ感染元」の菌が及んでいる。香川の感染者は感染の直前に県外に出ていなかったというから、何らかの食材を媒介にして広がったと考えるのが順当である。
「でりしゃす」で販売していたポテトサラダは自社製ではなく、別の食品製造会社から納入されたものだった。納入された基本のポテトサラダの材料はジャガイモ、タマネギ、キュウリ、キャベツ、ニンジン、マヨネーズなどだ。
おそらくはこの中に菌を媒介した食材が含まれていたのではないかという推測が成り立つ。そして、それと同じ食材が遠く香川県にも出荷されていたとすれば、これほど広域に拡大したとしても辻褄が合う。
仮に感染源が食材の上流である野菜だとすれば、惣菜店としてはとんだババを引かされた格好である。《中略》
サンプルから菌が出る可能性は低い
今回は、たまたま群馬県の惣菜店が販売したポテトサラダを食べた人々からまとまった数の感染者が出たということで、その惣菜店とポテトサラダ、そして客が量り売りで使ったトングばかりが悪者にされている。
しかし、女の子が死亡したケースについていえば、その子ともう1人の感染者がいた食事の席に並んだ惣菜店の商品は加熱食品だけだった。
その加熱食品についても前橋市保健所は、店のトングを経由して何か他の食品から菌を拾ってきたに違いないと断定している。
亡くなった女の子が親戚の持ち寄った食品を口にしていた可能性もあるのだが、前橋市保健所はそれには触れていない。手っ取り早く惣菜店を分かりやすい犯人に仕立て上げて終わらせたいかのような態度にも映る。
保健所の検査では、惣菜店にポテトサラダを納入していた食品製造会社からは菌が検出されなかったという。保健所はこの検査と工場内の拭き取り検査で菌が検出されなかったことをもって、納入業者の食品製造会社をシロと断定した。
販売者である惣菜店は全店を閉店して責任をまっとうしたにもかかわらず、製造者の責任は問われていない。この事態を見たある中堅スーパーの経営者は、「こんなふうに販売者の責任ばかりが問われるなら、食品会社から納入されたものを安心して売ることがでない」と頭を抱える。
食品製造会社はシロと断定されたが、食品衛生の専門家によると、「たとえば何らかの野菜に菌が付着していたとしても、汚染されるのは大量に作られるポテトサラダのごく一部でしかないから、工場に残っていたサンプルから菌が出る可能性は極めて低い」という。
感染源の特定は非常に難しいのだ。「過去にさかのぼっても、焼肉店以外ではO157の感染源が完全に特定されたという話はほとんど聞いたことがない」と打ち明ける。
他にやりようがないから致し方ないのだが、それでもなお感染源となった食材を特定しておかないと、同じ食材がやがて次の悲劇を生むことになりかねない。保健所も厚生労働省も、そこに全力を投入してもらいたいところである。
[via:https://gunosy.com/articles/RYQwG]
ネットの反応
・同じ遺伝子型のO157同時期に広範囲で見つかる
おおよそ自然現象では有り得ない事が起きているのに
・ゼンショーだったのか
・原因は迷宮入りか。
・食の安全に力をwwwwwww
・マスコミは挙ってゼンショーの名前出してないな
>さすがCMの多い企業
・12都道府県で発生してるのに何をどう推測すればトングのせいになるんだよ。
・どうせ工場の勤務体系がクソで、病人を休ませず調理させでもしたんじゃねーの。
・ゼンショーは外食業界で問題起こしてばかりだな
・そういえば謝罪どころか公式なコメントすら一切ないね
親会社だとバレないように知らぬ存ぜぬを通すのかな
・何が原因なのかわからんのにゼンショーがーってのはおかしくないか
・ゼンショーは質の悪いイメージあるが、今回はあんませめる気はないな
・トングで同じ系列店舗だけでO157が多発とかねーわ
・ブラック企業を放置していたツケがどんどん日本を蝕んでいるね
・ゼンショーブランド一覧
(外食)
すき家
なか卯
ココス
ビッグボーイ
ヴィクトリアステーション
ジョリーパスタ
エルトリート
はま寿司
華屋与兵衛
和食よへい
牛庵
焼肉倶楽部いちばん
熟成焼肉いちばん
宝島
伝丸
久兵衛屋
瀬戸うどん
たもん庵
モリバコーヒー
カフェミラノ
(スーパー)
ユナイテッドベジーズ
マルヤ
ヤマグチスーパー
マルエイ
VERY FOODS owariya
フジマート
アバンセ
マルシェ