回転ずし店の多くは、アメリカ産のウニを使用している。このウニの大きさは国産の約10倍。それだけたっぷり身が取れれば、一皿の値段も下げられようというもの。ほかにもイカなどで、安くて大きな海外産のものが使われているケースがある。これらは、いかに安く客に提供できるかを考えた結果の企業努力と言えるだろう。
一方、安価で手に入りやすい”似た魚”を使う、いわゆる”代用ネタ”というものがある。本来クルマエビを使っていた「エビ」に、養殖もののウシエビ、いわゆるブラックタイガーを使用するのもそのひとつ。
また、希少な部位であるはずの「エンガワ」が回転ずしなどで廉価で食べられるのは、それが高級魚であるヒラメのエンガワではなく、カラスガレイという別の魚のエンガワだから。ヒラメとカレイなので似ているのは当然だが、カラスガレイはヒラメの倍ほどの大きさがあり、エンガワで比べれば7倍もの量が取れる。
ほとんどが輸入もので、しかももともと破棄されていた部位なので値段も安い。歯ごたえや脂など、ヒラメとは似て非なるものだが、エンガワを庶民にも身近にした功績は大きい。
かつて一部の回転ずし屋では、アフリカ原産の淡水魚であるナイルパーチを「スズキ」、ティラピアを「タイ」などと偽装して売る悪弊がまかり通っていた。ただし2007年に水産庁がこうした名称使用に関するガイドラインを制定するなどの動きもあり、現在はそのような偽装ずしを提供する店は減っている。安心して回転ずしに足を運んでほしい。
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