宮台: いずれにせよ、「何も知らない者が幸せだと思うこと」と「多くのものを見てきた者が巡り巡って幸せだと思うこと」の間には大きな違いがあります。1993年に上梓した『サブカルチャー神話解体』の後書きで書いた通り、「知らぬが仏」は仏じゃない。 木偶の坊と同じなんです。
たくさんのことを経験し、何もかも相対化できるように思えた段階で、なおかつ生きることへの絶対的意欲を持つこと者だけが人を感染させる。それに関連して、2ちゃんに棲息する「処女厨」みたいな存在はクソです。ネットを見る限り、AKB48のファン層に目立ちますね。
安藤: 「処女厨」って何ですか?
宮台: 女の子が処女じゃないと気が済まない馬鹿って意味です。
安藤: はぁ~(笑)。
宮台: 感受性の問題じゃなく、単に頭が悪すぎるんです。「処女厨」って、結局は価値が減るものしか相手にできない。それでは何も味わい尽くせない。18世紀末からのフランス恋愛文学では、あらゆる汚れが積み重なる中でこそ絶対に失われないピュアさが描かれるでしょう?
安藤: 年齢を重ねるほどいい女ということですね。
宮台: そう。これまた〈往相還相〉です。憧れの女が処女じゃなくなったら終わるのか??頭が悪すぎる。感性も鈍いと思うけど、それ以前にマトモに頭が働くかどうかの問題。そういう阿呆がのさばるのを見ると、この社会も終わりだなとつくづく思います(笑)。
[痛いニュース]