重さ4キロまで一律料金で郵送できる日本郵便のサービス「レターパック」を悪用して現金をだまし取られる詐欺被害が昨年、新潟県内で7463万円に達し、前年(758万円)の約10倍となったことが、新潟県警のまとめでわかった。
県警は、振り込め詐欺などが金融機関の窓口で阻止されないよう巧みに避ける狙いがあったとみて警戒を強めている。
レターパックは郵便法で第1種郵便物とされ、現金を入れて送ることはできない。県警は、切手を貼る必要がない上、現金を束にして送りやすいA4サイズのため、詐欺に多用され始めたと分析している。
県警によると、県内では昨年、高齢男性がレターパックだけで約2000万円をだまし取られる被害があった。被害者は犯人から「レターパックで現金を送って」と指示され、十数回にわたって送金していた。
送付先の私書箱などが記載されたレターパックを封筒に入れて自宅に送りつけられるケースも目立った。
県内では昨年、振り込め詐欺などの「特殊詐欺」被害が金融機関の窓口で阻止されたケースが104件(2億2000万円)あり、前年より金額ベースで倍増した。県警は「送金を阻止されるケースが多いため、窓口を介さないレターパックが使われたのでは」と指摘している。
日本郵便は、レターパックの表面に「現金を送ることはできません」と印字し、ホームページ上でも注意喚起している。同社広報は「レターパックで現金を送ることはできない。犯罪に遭わないよう注意してほしい」と呼び掛けている。
[読売新聞]