こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。先月、『中国人が見た ここが変だよ日本人』(青林堂)という書籍を出版しましたが、今回のコラムでも、中国人の目から見た日本の違和感について書きたいと思います。
1月28日、企業から不正献金を受け取っていたことを理由に、甘利明経済再生担当相が辞任を発表しました。
日本の世論は、辞任は当然だという声も多い一方、自ら辞任を申し出た甘利前大臣の対応を称賛する声もあり、賛否両論となっています。
さて、中国の反応を見てみると
「3万元(約570万円)程度で辞任? そのくらい、居委会(中国の下級公務員)でももらっているよ」
「今回の問題は秘書に責任があるのに辞任した。甘利氏の対応は素晴らしい」
と甘利氏を擁護したり、
「政治のみならず、企業、公共機関など日本の社会はすべて透明度が高い。まったく恐ろしい国家だ」
と日本社会を称賛する声など、好意的な意見が数多く寄せられていました。
中国国内に目を向けると、最近でも安徽省合肥市地方政府の幹部が510万元(約9,200万円)を受け取っていたことが発覚。
2011年5月には、浙江省杭州市の元副市長が1億9,800億元(約38億円)、13年には深セン市内の村の村長が20億元(約380億円)の不正献金を受け取るなど、日本では考えられないような多額の賄賂がやり取りされています。
そのため、今回の問題を多くの中国人が称賛したのは、日本の政治の透明性を認識したのと同時に、政治家の不正献金事件が日常化している自国の社会を批判する意味合いもあります。
甘利氏は会見の際、「総理にご迷惑をおかけしている」と語りました。
この精神は「他者に責任を押し付けない」という日本人ならではの美徳であり、自分のために不正献金をもみ消そうとする中国の政治家たちとは対極的な行動だと思います。
そして、主要閣僚ですら問題が発覚した途端、すぐさま辞任するという今回の対応を見て、多くの中国人が「日本人恐るべし」と実感しているのです。
今回の不正献金問題は、中国のメディアでは大々的に報道されました。
おそらく閣僚の問題を暴露することにより、中国国民の反日感情を高めようという中国政府のもくろみがあったのでしょうが、結果は真逆のものとなったのです。《中略》
今回の不正献金に関しては、野党側の陰謀説なども出ており、その裏にはいろいろとあるのかもしれません。
ただ、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に対する交渉、マイナンバー制度の推進など、在任中に多くの実績を残してきた甘利前大臣の辞任は非常に惜しまれる事態だと思います。
日本としては、この綻びから中国につけ入られないよう、気を付けてほしいです。
[引用/参照/全文:http://netallica.yahoo.co.jp/news/20160202-44201216-nkcyzo]
中国ネットユーザーの反応
・これには笑ってしまうしかない
・これは地方の小役人にも笑われる額だな
・こんなわずかな金額で辞任なんて、中国人はみんな笑っているよ。村長にすら及ばないじゃないか
・こんなの俺たちの村長なら1食分にしかならない
・100万円なんて中国の役人にとっては何の意味もない
・指導者クラスの人が100万円を欲しがるとは、日本はなんて貧しいんだ!
・秘書の方が大臣より多くもらっているのか
・たったの100万?100億の間違いじゃないのか?
・この程度で辞任なんて、資本主義は人情味がなさすぎる
・中国はいつになったらこういう政治家が出てくるのだろう
・中国には自ら辞任する政治家が今まで1人もいないけどね
・生まれるところを間違えたな。中国だったらどれほど良かったか
・これを中国で適用したら、中国は瞬時に無政府状態になる
[引用/参照/全文:http://news.livedoor.com/article/detail/11120280/]
「万元戸」って言葉を覚えてる世代からすると、汚職云々より中国の金満っぷりに仰天する。