ドイツの老人ホームでは、アルツハイマー患者である入居者の徘徊対策として、近くにニセの「バス停」を置く、というアイディアが広まりつつあるとのこと。
ニセの「バス停」は、バス事業者との協力により、本物のバス停とまったく同じように作られている。違いはただひとつ、そこにバスは来ないということだ。
入居者はしばしば、もう存在しない自宅や家族のもとに帰ろうとして、どこか遠くへ行ってしまうという。
ニセの「バス停」ができる前までは、こうして入居者が行方不明になるたびに、老人ホームは入居者をとりもどすため、警察の世話にならなければならなかった。
老人ホームのスタッフは、この経験を繰り返すうち、徘徊する入居者は公共交通機関を使うことに着目し、ニセの「バス停」を思いついたそうだ。
入居者はしばしば、「自分の子供が家で待っているので、急いで帰らなきゃ」といった考えにとらわれて、施設を出ようとする。従来なら、スタッフがこれを食い止める必要があった。しかし、いまはニセの「バス停」があるので、「あそこにバス停がありますよ」と導くことができるという。すると入居者は、しばらく「バス停」で待っているうちに、気持ちが落ち着くそうだ。入居者が5分ほどそこで待っているのを見て、スタッフが「バスは遅れているようなので、中で待ちましょう」などと声をかけ、施設に戻す。すると、入居者はアルツハイマーで短期記憶が弱っているので、自分が出かけようとしていたことも忘れるという。
ニセの「バス停」で騙すのは、ちょっとかわいそうな気もする。しかし、外へ出れないように閉じ込めてしまうよりは、たしかにこのほうが、入居者を人間として尊重している。「外へ出たい」という思いを、ひとまず実現させてあげて、バス停に導く。少しのあいだバス停で待っているうちに、「これで家へ帰れる」と思い、気持ちが落ち着く。そこで声をかけ、「中で待ちましょう」と施設に戻す。
ひとつひとつのステップを、強制でなく、本人が納得できるように進めている。できるだけ強制せず、本人の意思で行動させることで、人間の尊厳を守っているのだ。
[mojix.org]
http://mojix.org/2012/08/26/alzheimer-bus-stop
切ない話だな
せっかく良い試みなのに記事のタイトルがバカにしてる。
わろた
認知症で理解が出来ない状態だから、本人に納得してもらう手段としては良いアイデアだと思う。
普通の施設なら、あの手この手で施設からすら出さないよ…。
看護師の友人から聞いた話だけど、今は医療技術力が高まって老人でも長生き出来る。
意識のない老人に施設で長生きし過ぎるのも家族や施設の負担だと聞いた。
ひどい!