世界で使われる文字コードを考案する団体ユニコード ・コンソーシアムが2019年中に59の絵文字を新たに追加すると発表しました。
肌の色が違うカップルや同性カップル、白い杖を突いた人や盲導犬など、絵文字にも多様性の波が押し寄せています。中でも話題になっているのが、赤い滴(しずく)の「生理マーク」。
これまでタブーとされてきた生理が世界共通の“emoji”になった背景とは……?
生理って恥ずかしいの?
2017年にイギリスのNGOが女の子たちに生理についてのアンケートをしたところ、次のような結果が出たそうです。
・イギリスの女の子の40%は生理用品を買う経済的余裕がなく、トイレットペーパーで代用している。
・イギリスの14~21歳の女の子の48%が「生理は恥ずかしいもの」と思っている。
・イギリスの女の子の70%が授業中にトイレに行くことを許可されていない。
アンケートをおこなったのは子どもの権利を守る国際NGO「プラン・インターナショナルUK」。月に1回やってくる生理なのに、なんとなくコソコソしたり、恥ずかしかったりするのは、実は日本だけではないのです。
生理の誤解を解きたい
「生理が恥ずかしいという誤解をなくすには、まずそれを話題にすることが効果的です」
プラン・インターナショナルUKのルーシー・ラッセルさんは、英紙ガーディアンの取材にそう答えています。
そこで、みんなが話題にしやすいよう、生理を表すデザインを決める人気投票をすることになりました。
「生理用ナプキン」「月のカレンダー」「ニッコリ笑う血のしずく」「子宮」「血の染みが付いた生理用ショーツ」の5つのデザインの中から選ばれたのは「ショーツ」。
残念ながら、絵文字を規制するユニコード・コンソーシアムの結論は「不採用」でした。
そこでプラン・インターナショナルは公的機関の英国血液サービス(NHS Blood and Tranplant)と組み、新しい「血のしずく」の絵文字をユニコード・コンソーシアムに提案。こうして、世界で初めての「生理マーク」が誕生することになったのです。
赤い滴の生理中マーク(Plan International UK HPより)
生理の会話のきっかけになる絵文字
そもそも、最初の「血の染みのついたショーツ」案がなぜユニコード・コンソーシアムで採用されなかったのかの理由は公表されていません。
それでも今回、「生理マーク」が世界共通の絵文字として登場することについて、医療関係者や女性問題の活動家からは「革命的」「生理にまつわる負のイメージをなくすための大事なステップ」などと好意的に受け止められているようです。
アメリカ・テキサス州で被災地や貧困地域に生理用品を提供するNPOを運営するラマンダ・バラードさんは、英紙ガーディアンのインタビューに答え、「かつてはお店で生理用品を買うのも恥ずかしかったのが、ネット上で生理についてオープンに語れる日がくるなんて」と歓迎していました。
日本でも、生理の話は女性同士でも相手を選び、職場の同僚やパートナーとも気軽に話題にしにくいものです。
世界共通の「生理マーク」ができたことで、そうしたモヤモヤがなくなり、気軽に生理の話ができるようになるかもしれません。
LINEやメッセンジャーで絵文字を打ち込むだけで、浮かない気持ちを共有してもらえて、なんとなく心も体も軽くなる。そんなうれしい効用を期待しています。
[via:telling,(テリング)]
http://news.livedoor.com/article/detail/16041316/
今回追加された59の絵文字はこちら。
生理絵文字は2:09あたりに記載(Emojipedia)