俺が中学生の頃の事なんですが。
夏休みの終わり頃だったか、頻繁に白い服を着た年下の女の子が、家の中に現れるようになったんですよ。
それも、昼夜問わず俺が一人の時にばかり。
恐くてお袋に話したんですが相手にして貰えなくて、その後も多いときは週に何度も現れるようになって、恐怖も限界になったんでもう一度お袋に泣きついたら、
お前には4歳年下の妹がいるはずだったんだけど、流産してしまったから、 多分お前の所に来ているのは、そのお前の妹になるはずだった子だろう。
わざわざ会いに来てくれてるんだから、怖がらないであげなさい。
そんな感じの事を言われたんですよ。
それ聞いて中学生の俺は何か妙に納得しちゃって、生まれる事が出来なかった妹が俺の所に遊びに来てくれたんだなぁ~、何て考えたら何故か妙に嬉しくて。
それからはその女の子が現れても別に恐く思う事もなく、気が済むまで遊んで行きなよとか思いながら、その女の子を出現するに任せてたんですが、そのうちにだんだん出る回数が減っていって、とうとう出なくなったんで、ああ、気が済んで成仏したんだろうな。なんて思って安心してたんですが…
去年の暮れ、久しぶりに年末年始を実家で過ごそうかと思って里帰りした時に、ふと思い出してその事を話題に出したら、
お袋「なにそれ?…アッハハハハ!やだあんた、本気にしてたの?!」
聞けば何でも、あんまり俺が怯えて鬱陶しかったんで、口から出任せ言ったんだとか。
…ちょっと待てやゴルァ!やだじゃねぇよ!洒落になってねぇぞお袋!
それじゃ、あのとき頻繁に部屋に来てた白い服の女の子って、一体何だったんだ~っ?!
…何だったか結局分からずじまいなんですが、今更ながら、そのうちまた現れるんじゃないかと思うとほんのり恐いです。
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なにもしないでただ出るだけの女の子なんてかわいいとすら思うけど
気の持ちようなんだね
ほんのり?
怖がらずにすんだならお母さんに感謝。
最後の「ほんのり怖い」がなんか可愛い。