お昼時のツイッターになぜか有料アダルト動画サイト「カリビアンコム」がトレンド入りし、ネットユーザーをザワつかせた。きっかけは、同サイトに動画を配信していたアダルトビデオ制作会社の社長が逮捕されたこと。
NHKを含む報道機関が一斉にそのサイト名を報じたことで、一躍有名となったカリビアンコムだが、一体どのようなサイトなのか。
管理も運営も「アメリカ西海岸」
カリビアンコムは17年1月11日、にわかに話題を集めた。
無修正のわいせつ動画を同サイトに有料配信したとして、警視庁がアダルトビデオ制作会社「ピエロ」社長、陳美里容疑者ら男女6人をわいせつ電磁的記録等送信頒布容疑で逮捕、これが一斉に報じられたためだ。NHKも昼の12時30分頃に報じた。
ツイッターのトレンドにカリビアンコムの名前が急浮上し、
「なんでトレンドにカリビアンコム………」
「今さら感が」
と驚きの声が続出。一部のまとめサイトが「【悲報】カリビアンコム逮捕」と、誤解を招く伝え方をしたこともあり、サイトの今後を心配する利用者らを中心に大騒ぎとなった。
そもそもカリビアンコムとは、どのようなサイトなのか。17年1月現在、月額49.5ドル(円決済の場合4950円)からの会員費で、日本人向け無修正アダルト動画の見放題サービスを提供している。会員数は300万人と「業界No.1」をうたう。
一方、日本語サイトにも関わらず、管理・運営のすべてをアメリカ西海岸で行う。動画も主に、日本の制作会社やプロダクションと提携したアメリカ・ロサンゼルスの映像制作会社「Dreamroom Productions」から供給されている。
サイト内のQ&Aページには「海外にサーバーを設置することにより、サーバーが設置されている国・地域の法律が適用され、合法的に無修正の動画・画像の配信を行なっています」とある。
15年前から「裏ビデオ」を有料配信
こうした事情もありメディアに取り上げられる機会は少ないながら、20年以上の歴史をもつ「老舗」だ。
インターネットアーカイブに残された過去のページを見る限り、1996年の設立当初は欧米人女性の「ヌードショー」を配信していたようだ。
その後、一度閉鎖されたのち、2001年4月に再オープン。「海外でのみ」販売されているDVDの販売を一時的に手がけ、同年中に日本人の動画作品を配信し始めた。
当時配信していたのは、「人気女優の流出モロ見えものをはじめ、女子校生モロ見えもの、インディーズ過激モロ見えもの」(原文ママ)。
サイトトップページに「ウラビデオ通信」とあり、「裏ビデオ」の俗称で知られる無修正動画をすでに取り扱っていたことがわかる。
ちなみに、月額の会員費は38ドルで、02年に現在と同じ49.5ドルへ値上げしている(当時はドル決済のみ)。15年の間にサイトデザインが変更された形跡もあるが、無修正動画を有料配信する、というコンセプト自体は変えていない。
今回の逮捕ニュースの影響による知名度アップで、思わぬ需要が生まれるのか。カリビアンコムのサイトは1月11日夕現在、逮捕事案に関するコメントなどは発表しておらず、沈黙を貫きながら動画を配信し続けている。
[via:http://www.j-cast.com/2017/01/11287863.html]