Mobile Number Portability(以下MNP)を利用して複数台契約し、電話番号はそのままで他社のキャリアに乗り換え、高額のキャッシュバックを得る手法だ。
新規契約の場合ではA社の客が一人増えるだけだが、B社の客がMNPでA社の携帯に移った場合、A社のライバルが一人減り、なおかつ一人増えることになるためA社にとっては実質的には2倍の得となる。
そんな経緯で、各携帯会社による異常なまでの客取り合戦が始まり、過度なキャッシュバックが付くようになった。ユーザーはMNPによる乗換を複数同時に行えばその分獲得額も増え、その後電話機を業者に売却してさらなる利益を得る(※ただし、機種代を2年間割賦する「実質0円」契約ではなく、機種代が0円の「一括0円」契約に限る)。
これがいわゆる“ケータイ錬金術”と言われる行為の仕組みである。一時は、これで年間100万円以上を稼ぎ出す人もいたという。
「大学の先輩が、昨年これだけで90万稼いだんですよ」
数日後に卒業式を控えた大学生カミヤマ(仮名)は言う。彼もまた、“錬金術”で1日に25万円も稼ぎだしたことがあるという。
「最初は“元手”が結構かかるんで不安でした。というのも、MNPをするためのSIMを複数枚買わないといけないんで。で、そのSIMを手に、同じような“ケータイ錬金術”をしてる連中の間で話題になっている携帯ショップに行って一気にMNPでキャリアを乗り換えるんです。びっくりしましたよ、俺の前にいた客も8個の携帯を一気に買ってるんだから。一台だと5000円程度のキャッシュバックしか付かないけど、3台同時に乗り換えると、8万円以上の高額なキャッシュバックが付いたりしたんですよ」
ちなみに、当のカミヤマは、この複数台の携帯電話をどうしたのだろうか?
「それが、0円で買った携帯電話を買い取ってくれる場所があるんすよ。これも先輩から聞いたんすけど。O駅近くの雑居ビルにある店で、行ったらパチンコの景品交換所みたいでSIM抜いた携帯渡すと無造作に現金渡されるんで笑いました。買った時に画面に貼ってあるシールを剥がさなければ、新品として買い取ってくれるんで超助かりました」
こうした常軌を逸した手法についに総務省からの指導が入り、3月16~17日をもってキャッシュバック制度を終了する旨が全国の携帯ショップで一斉に公示された。総務省の役人曰く「ケータイが1人に5台も6台も必要か?」とのことである。ごもっともだ。
「16日直前は俺が行った携帯ショップも、買い取り屋も長蛇の列だったらしいっす」
「裏のお得情報」のようにこうした「錬金術」の情報は出回り、多くの「フツーの人」が悪気もなしにカネを手にしていたが、その原資となっているのは、多くの正規ユーザーが支払っている月額料金であるのは言うまでもない。
[日刊スパ]
何年か前に0円携帯が無くなったのにナゼ復活していたのかがわからん
そのキャッシュバック料金が通話料から捻出されるんだからたまったもんじゃないよね…
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