トトロが帰ってくる——。
スタジオジブリの人気アニメ『となりのトトロ』が日本テレビ系の「金曜ロードSHOW!」で8月14日午後9時からノーカットで放送される。
宮崎駿さんが脚本・原作・監督を務めたファンタジー映画。4歳のメイと、12歳のサツキの姉妹が不思議な生き物・トトロに出会うという内容。
1988年4月の劇場公開から32年が経過したが、根強い人気を誇っている。今回の放送は2018年8月以来2年ぶり、17回目の放送となる。
この『となりのトトロ』。劇場公開時のポスターやパンフレットには、ある秘密が隠されているのをご存じだろうか。
■ポスターに隠された秘密とは?
ポスターに描かれているのは、「稲荷前」と書かれたバス停の前の様子だ。葉っぱを頭に乗せたトトロの隣に、赤い傘を差した二つ結びの少女が立っている。
この少女は劇中に登場するメイともサツキとも、微妙に姿が違う。顔はメイに似ているが、頭身と年齢はもう少し高そうだ。服装はオレンジ色の吊りスカートで、劇中でサツキが着ているものだ。
ハフポスト日本版の編集部の同僚に聞いてみると、「メイだとばかり思っていた」という声が多数聞かれた。
このポスタービジュアルは、劇場パンフレットのほか、DVDのジャケットや、今回の「金曜ロードSHOW!」の番組紹介でも使われている。
『となりのトトロ』ポスター
この少女は、一体誰なのだろう。
■もともと主人公の女の子は1人だけだった
スタジオジブリの広報部に取材すると「かなり前の映画ということもあって、詳しいことは諸説あってはっきりしません」としつつも、「サツキとメイの特徴を1人の女の子に集約したというのは、間違いないようです」というコメントだった。
2人の少女が1人に……とは、どういうことだろう。その後、関連資料を調べていくと、興味深いことが分かった。
『となりのトトロ』の原型となったのは、1975年に宮崎監督が描いた3枚のイメージボードだった。このときすでに、バス停で父親を待つ少女と、頭の上に葉っぱを載せた謎の生き物が描かれている。
このときは絵本にするつもりで、主人公の少女は1人だった。79年にもテレビの特別番組などの企画が動き、イメージボードが新たに描かれたが幻になっている。
その後、1986年末から『となりのトトロ』の制作が本格的に始まると、宮崎監督は主人公の少女を2人の姉妹に設定変更した。
その理由は、同時上映される『火垂るの墓』(高畑勲監督)の上映時間が予定より延びたことに伴い、『となりのトトロ』の上映時間が延びたことが理由だったという。
「ジブリの教科書3 となりのトトロ」(文春ジブリ文庫)の中で、製作委員会のメンバーだった鈴木敏夫さんは次のように振り返っている。
「『となりのトトロ』は本来、女の子とオバケの交流で、その女の子は一人だったんですが、高畑さんへの対抗心に燃えた宮さんは「映画を長くするいい方法はないかな」と言い出して、それで一人の女の子を姉妹にすることを自ら思いつくんです。サツキとメイは、宮崎駿の負けず嫌いの性格から誕生したのです」
■「サツキとメイの二人がトトロと並ぶのは、どうしても違う」
そして、1987年夏ごろに『となりのトトロ』のポスターの原画を宮崎監督が描いた。
『となりのトトロ』の制作デスクを務めた木原浩勝さんの著書『ふたりのトトロ』(講談社)によると、第2稿まではサツキとトトロが並んでいたのだが、第3稿になって、以前のイメージボードに近いサツキでもメイでもない少女が描かれたという。
サツキでもメイでもない少女
バス停で待っているのがサツキ1人でいいのか……という問題があったが、宮崎監督は「サツキとメイの二人がトトロと並ぶのは、どうしても違う」と主張。その結果、二人の特徴を併せ持つ少女が描かれることになったのだという。
木原さんは前出の著書で、以下のように綴っている。
「ポスターの少女をサツキだと思っている人、メイだと思っている人がいると思うが、実のところどちらでもないといえるし、どちらでもあるともいえるキャラクターだ。
つまり一種の合成キャラクターとでもいえばいいだろうか?具体的にいえばサツキより低くメイより高い身長。服装はサツキ。
肩から上(顔立ちや傘の色)はメイとして決定される。映画に登場しないキャラクターを使ったポスター画など前代未聞だと思った」
サツキとメイ
■上映当時は「大ヒット作」ではなかった
1988年の上映時、『となりのトトロ』と『火垂るの墓』の興行収入は合わせて5億8800万円と伸び悩んだ。
前出の木原さんによると、上映当時に「ポスターの少女は誰?」という問い合わせがスタジオジブリにあった記憶はないという。ハフポスト日本版の取材に対して、木原さんは以下のように回答した。
「映画としては大ヒットしたわけではなく、話題としても大きく取り上げられたワケでもありません。そのため、ポスターの女の子は、さほど気にする程の事ではなかった……という事ではないでしょうか?」
テレビで放送が繰り返される中で人気が上昇し、スタジオジブリの看板作品となった『となりのトトロ』。上映当時のポスターの謎に注目が集まるのも、長寿作品になったからこそだった。
[via:HuffPost]
https://www.huffingtonpost.jp/entry/totoro_jp_5f324320c5b6960c066bd876
劇中でのシーン
■スタジオジブリが否定した「都市伝説」
観た人にさまざまなイメージを喚起させる力が、『となりのトトロ』にはあるようです。
映画の終盤、サツキとメイに影がないことから、「サツキとメイは死んでいる」「トトロは死神」などの都市伝説が広まったことがあります。
2007年5月にスタジオジブリが公式サイトで都市伝説の内容を否定したことがニュースになったほどです。
確かに『となりのトトロ』は、死の影を感じさせるところがあります。姉妹が引っ越した家は、結核患者が療養するのための物件だったという裏設定があったそうです。その人が亡くなったため、空き家となっていたのです。
また、劇場公開時に同時上映されたのは、高畑勲監督の『火垂るの墓』(1988年)でした。
『火垂るの墓』に登場する節子は、メイと同じ4歳でした。戦時中と戦後という時代の違いが、節子とメイの人生を大きく変えることになるのです。
サツキとメイが元気いっぱいに明るく過ごすことで、逆に死の影も明確に浮かび上がります。
『となりのトトロ』は、初夏から盛夏にかけての物語となっています。夏は生と死を強く感じさせる季節でもあります。
おそらく小学6年生のサツキは、もうしばらくするとトトロの姿が見えなくなるのではないでしょうか。そして、やがてはメイもトトロとお別れすることになるでしょう。
『となりのトトロ』は、純粋だった幼年期の終わりを弔うための映画なのかもしれません。子供たちは『となりのトトロ』から、大人が忘れてしまったいろんなものを感じ取っているようです。
[via:マグミクス]
https://news.yahoo.co.jp/articles/99563b4163be118ddb5f374f4a28238324ecf101
驚異のシンクロ率
ネットの反応
・そうだったの 全然気づかなかった 初めて知った
・数十年後にこんな国民的人気のアニメになると思ってなかったんだろうな
・赤いサンダルの持ち主だな
・メイの成長した姿かと思ってた
・別の場所にトトロが出現しただけでしょ。
・そんなおおらかな時代だったのです
・うわぁ有名な絵なのに気づかなかった。フシアナすぎる。
・もうみんな知ってること
・ネットでは裏設定とか色々騒がれてたよね
・2人が並ぶのはどうしても違う。が、2人の特徴を合わせたキャラクターを載せるのは違くないのか…
・やっぱり凡人には理解できないけど、宮崎駿が違うと言うなら違うし、これで良いと言うなら良い。
・では自分が一つの仮説もしくは妄想を言いたい。あの少女はサツキとメイの母親・草壁靖子(くさかべやすこ)の子供時代の姿だと。つまり…実はお母さんも子供の時にトトロに会っているのだと思いたい。
・サツキもメイも実は死んでるんだよ
・ちなみにサツキもメイもどちらも5月を意味する
・「となりのトトロ」の原型は「パンダコパンダ」だろ(´・ω・`)n
・高畑さんへのライバル心 なんか可愛いw
・火垂るの墓とセットで見ないと理解できない映画
・本当は狭山事件で殺されま少女だよ
・トトロがロリコンの暗喩に見えてきた
・女児の横に変質者っていう恐怖の構図。
・そういうの、本当にやめてほしいよな パッケージ見てカワイイと思って買ったイメージビデオが本編では全くの別人のブスが映ってた時は殺意がわくよな
・日本はアニメ文化っていいながら、これ以上のアニメが作られてない現実
・あ、今晩トトロやるんだ。
・8月14日というタイミングでやるなら、同時上映だった「火垂るの墓」をやって欲しかったなぁ…
・火垂るの墓は悲しくなりすぎるのであまり見たくない
・パロディもいっぱい