中国の独身女性にとって、春節(旧正月)休みに帰省する際の悩みの種は、家族や友人から結婚について質問攻めに遭うこと。今、そんな女性たちのニーズに応えるように、インターネットで恋人をレンタルできるビジネスが急成長しているという。
Zhao Jianqiangさんは楽しく副収入を得ようと「レンタル彼氏」を始めた一人。Zhaoさんはショッピングや親戚との飲み会にも付き合ったりするが、性的な関係を求められても「ジゴロとは違う」ため断るようにしている。そんなZhaoさんにはすでに多くの申し込みが来ており、中にはZhaoさんを実家に招くことで自分の恋人に焼きもちを焼かせようとする女性もいるという。
では、「レンタル彼氏」流行の背景には何があるのか。親が主導権を握るここ上海のお見合い市場でも、有望な男性には高い需要がある。ただ、同国の国勢調査によると、女児の出生数100人に対し男児は約120人で、男性の数が足りないというわけでは決してない。
同市にある復旦大学で社会学の教授を務めるYu Hai氏は、都市在住の女性は男性よりも早く出世する傾向にあると指摘。「男性が自分よりも地位の高い女性を見つけても、周りから不釣り合いだと言われかねない。家庭でどちらが主導権を握るかが重要視される」と述べた。
一方、お見合い仲介業者のFan Dongfangさんは、非現実的な期待をもって申し込んでくる女性もいると語る。自身の年齢が高いにもかかわらず、夫選びで妥協を許さない女性は相手を見つけるのが難しく、払い戻しを求めるクライアントの大半はこうしたことが原因だという。
何はともあれ、妥協したくない女性や親のうるさい小言を聞きたくない女性にとっては「レンタル彼氏」という選択肢は無きにしもあらず、なのかもしれない。
[ロイター]
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