笑顔で踊る少女を捉えた一枚の写真。写っているのは、いじめの被害を訴え、自殺した青森県の少女だ。
この写真は、青森県・黒石市の写真のコンテストに応募され、一度は、「市長賞」が内定していたが、その後撤回されていた。何があったのだろうか。
衣装を身にまとい、笑顔で踊りを披露する青森市の葛西りまさん(13)。葛西さんは、この写真が撮影された日から10日後の8月25日、電車にはねられ死亡した。自殺とみられている。
葛西さんが亡くなる直前、スマートフォンに残していた文章には、“いじめをやめて欲しい”という悲痛な訴えがつづられていた。そこにはいじめていたとされる生徒の実名も書かれていた。
笑顔で踊る葛西さんが写った写真は8月15日、青森県黒石市で行われた祭り「黒石よされ」で撮影されたものだった。
「黒石よされ」は、「阿波踊り」などと並び、日本三大流し踊りのひとつとされる祭りだという。祭りの期間中に撮影された写真のコンテストも行われ、最高賞の黒石市長賞に選ばれると、賞状や賞金が授与される。
黒石観光協会によると、青森市の男性がこの写真をコンテストに応募したところ、「市長賞にふさわしい」として審査員が絶賛。その後、踊りの団体に確認すると写真の人物が葛西さんであるとわかったという。
そこで、実行委員会は遺族の了承を得た上で、葛西さんが写っている写真に市長賞を贈ると内定した。
葛西りまさんの父親コメント
「娘の四十九日に、内定したというお話を聞きまして。この写真は家族みんなで見たんですけど、娘の笑顔にみんな涙が止まりませんでした。娘にまた会えた気がしました」
「私はまだ笑顔でこうしているよ、だから私たちにもみんな笑顔でいてねというメッセージにも受け取れました」
しかしその後、実行委員会の間で再協議が行われ内定が取り消されたという。「亡くなった人が写っている写真はコンテストの対象作品にするべきではない」というのが理由だという。
葛西さんの遺族は、一度でも写真が選ばれたことには感謝しているとしながらも
「話によると、(受賞に)ふさわしくないということで取り消されたわけですけども、ふさわしくないというのが私たちはどうしても納得がいかなくて」
「最高の笑顔で好きな手踊りを好きな仲間と一緒に頑張って踊っていたというのも知ってほしいし、そういう子でも、いじめによって残酷な結果になってしまうという、いじめの恐ろしさも知って欲しくて、公表することにしました」
と話す。
遺族は、“いじめをなくしたい”という葛西さんの思いを伝えるために、写真と名前の公表に踏み切ったという。写真は受賞していれば、11月に行われる黒石りんごまつりで展示される予定だった。
[via:http://news.livedoor.com/article/detail/12163641/]
踊りの名手だった
2015年度組踊りの部優勝チームとして、葛西りま(さかいりま 12才)と記載がある。葛西りまさんは地元の組踊りコンテストで優勝する踊りの実力者であったようだ。
12才の頃のりまさん
りまさんの遺書
遺書
突然でごめんなさい。ストレスでもう生きていけそうにないです。
●が弱いのは自分自身でも分かってるし、●が悪い所もあったのは知ってるけど、流石にもう耐えられません。
東京いって全国でまた皆で優勝したかったけど、行けなくてごめんなさい。だから7人で、優勝してください。●も頑張ってね。
学校生活も散々だし、それでストレスたまって起立性なったのに、仮病とかいう人が沢山いて、説明しても、あまり信じてくれなかった。
1、2年の時で●の噂流したりそれを信じたりいじめてきたやつら、自分でわかると思います。もう、二度といじめたりしないでください。
(中略)
家族へ。先立つ不幸を許してください。もう無理です。特別虐待があったわけでもない(中略)
文章めちゃくちゃでごめんなさい。
みんなに迷惑かけるし、悲しむ人も居ないかもしれないくらい生きる価値本当にないし、綺麗な死に方すらできないけど、楽しい時もありました。
本当に13年間ありがとうございました。いつか、来世ででも●が幸せな生活をおくれる人になれるまで、さようなら。
また、会おうね。
2016年8月25日木曜日
取り消し撤回 改めて市長賞贈る
[追記:10月19日18時]
主催者側が19日午後に記者会見を開き、黒石市の高樋憲市長は、
「生徒に配慮して取り消しをしたが、氏名や写真などが公表されたことから、応募者とご遺族のご了承を得たうえで改めて市長賞を授与させていただきたい。慎重さを欠く部分があり家族に深くおわび申し上げます」
と述べ、賞の取り消しを撤回したうえで、「黒石市長賞」を改めて贈ると発表しました。
黒石市によりますと、今回の問題を受け、市役所には19日午後3時までにおよそ300件の電話と1000件以上のメールが寄せられているということで、そのほとんどが主催者側の対応への苦情や批判だということです。
[via:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161019/k10010735321000.html]
というよりも騒ぎが大きくなったから再受賞にしたんだろうね。
家族側が正しいと思う。でも、世の中は弱肉強食。被害者は泣き寝入りするのが、世の常なんだよね。。。