着慣れぬリクルートスーツに身を包み、希望を胸に日々就職活動にはげむ大学生たち。その期待と不安につけこむ卑劣な犯罪が摘発された。
5月25日に警視庁南大沢署にストーカー規制法違反容疑で逮捕されたのは、東京都府中市に住む会社員の男(57)。
男は大手金融機関の元採用担当者を自称し、就職相談を装って女子大生のエントリーシートを入手すると、無料通信アプリ「ライン(LINE)」で次々と卑わいなメッセージを送信。
第一志望の企業への口利きをちらつかせ、繰り返し肉体関係を求めていた。
山手線で就活生物色
「就活中ですか?」
3月22日、JR山手線の車内でリクルートスーツ姿の女子大生のAさん(22)にそう声をかけてきたのは、隣に座った一見会社重役風のかっぷくのいい男だった。
実際に25年間ほど大手金融機関に勤務した経験のある男は、「自分は金融機関の元人事担当。エントリーシートを添削してあげるよ」と言葉巧みに誘導。
Aさんの第一志望の企業を聞き出すと、「その会社ならコネがある」などと嘘をつき、ラインの交換にまでこぎつけた。
男が紳士の仮面を脱ぎ捨てたのは、それから2週間後の4月6日だった。
就職活動が本格化したAさんを都内の焼き鳥屋に呼び出し、一杯傾けながらの就職相談が始まった。
だが、2軒目のカラオケ店に移動すると、男はいきなり本性をむき出しに。Aさんの肩を抱いたり、胸を触ろうとしたりと露骨なセクハラ行為をするようになり、最後は「ホテルに行こう」と直接迫った。
Aさんがやんわりと断ると、未練がましく手渡してきたのはなんと女性用のアダルトグッズ。Aさんは心底あきれ果てながらも、最終的に受け取らざるを得なかった。
最後はストーカーに
満たされなかった思いは、さらに男の行為を暴走させた。
夜の時間帯を見計らい、Aさんに送ったメッセージはいずれも卑わいなものばかり。渡したアダルトグッズの使用の有無など性的な質問が繰り返された。もはや完全に常軌を逸していた。
電話もしつこくかけ続けており、Aさんが誘いを断ると、今度は一転して「あんたの希望してる会社から外すよ」と恫喝(どうかつ)。
「気持ち悪い」と恐怖を感じたAさんは5月18日に南大沢署に相談し、署員の勧めもあり、はっきりと拒絶のメッセージを送った。
それでも男はあきらめきれなかったのか、「どうしたの」「何かあったの」などとラインを続け、繰り返しAさんに電話をかけてきたため同署が逮捕。調べに対し、「ストーカー行為だなと自分でも思います」と素直に容疑を認めた。
その後の捜査で、男は平成27年5月に、首都圏に住む女子大生につきまとい、他県警からストーカー行為として口頭での警告を受けていたこともわかった。このときも就職先の面接官を自称していたといい、その常習性が浮き彫りになった。
Aさんは事件後、「相手の誘いを断れば、就職がだめになると我慢していた」と告白。
就活生の不安につけこんだ卑劣な犯罪に、捜査関係者は「不用意に連絡先を教えたり、相手の言葉をうのみにしたりしないで」と警鐘を鳴らしている。
[via:http://www.sankei.com/premium/news/170605/prm1706050004-n1.html]
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