横浜市の崎陽軒が12日、乗客が新型コロナウイルスに感染し、同市の大黒ふ頭に接岸中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に寄付した「シウマイ弁当」4000食が、いまだ乗客に提供されていないことが13日、分かった。
崎陽軒によると「不自由な状況の乗客、頑張っているスタッフを励ましたい。協力したい」という思いから、最初は横浜市港湾局に相談したという。
ただ、通関の関係から、港湾局と船との間で荷物の積み込みなどを調整する代理店があり、当該代理店との交渉の結果、12日の昼食向けに提供することになったという。
代理店と調整した結果、納品時間は午前10時、提供するシウマイ弁当の数は乗客、乗員分3800食、支援活動をする医療スタッフ、自衛隊分200食の合わせて4000食と決まった。
崎陽軒は配送車で大黒ふ頭に午前10時前には到着し、接岸する船にシウマイ弁当を納品と、決められたとおりに行動。同11時までには船への搬入も済ませたという。
船内では1日3食の中に米のメニューは出されていたが、3日に横浜・大黒ふ頭に入るまでは、日本で主に食されるジャポニカ米の提供は少なく、東南アジアなどで食されるインディカ米のメニューが多かったという。
そのため、日本米を欲する乗客も少なくなかった。ある乗客は、12日午後にシウマイ弁当が寄付されたと知り「あんなに、おいしい弁当はない。早く食べたい」と心待ちにした。
ただ、同日の昼食、夕食は通常通りの船側が用意したメニューで、加えて支援企業が寄付した飲料、カップラーメンなどが提供されたという。
複数の乗客は、ツイッターで「まだ届いていない」「シウマイ弁当は、どこに消えた?」「せめて(船内で支援活動をする)自衛隊やスタッフの方々に届いていれば」などと発信した。
一部の乗客は12日夜に「明日の朝か、昼にでも出るのかな?」と期待を寄せていたが、12日に寄付されたシウマイ弁当の消費期限は同日午後4時だったため、消費期限を過ぎての提供は困難だ。シウマイ弁当は1食860円(税込み)で、提供された4000食は344万円相当だった。
崎陽軒の担当者は、取材に「搬入後の状況につきましては現状、分かりかねます」と困惑気味に話した。
[via:日刊スポーツ]
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202002130000216.html
崎陽軒の焼売弁当が、差し入れられたとの情報あり。が、無かった。燃え尽きた。 pic.twitter.com/WYzhPacAZi
— のんちゃん2929 マンガ大好き (@nsk061608) February 12, 2020
乗客に事実確認
2020年2月14日、ダイヤモンド・プリンセスの乗客であるA氏に取材をしました。A氏は「崎陽軒のシウマイ弁当が配られなかった件について関心がある」と言っており、快く取材を受け入れてくれました。
差し入れがあったことの説明もない
─ダイヤモンド・プリンセスに崎陽軒からシウマイ弁当が届くということは2月12日以前から知らされていましたか?
12日の11時19分に地元の新聞社の記者の方から、弁当が船に運ばれたと連絡貰いました。
─ダイヤモンド・プリンセスの乗客にシウマイ弁当が配られていない、というのは事実ですか?
事実です。少なくとも私と、知り合いやTwitterで連絡が取れる方々の部屋には配られていません。
─編集部による取材で、シウマイ弁当はダイヤモンド・プリンセス船内に確実に積み込んだと、船舶代理店が答えていますが、この件に関して運営等からなにかしらの説明はありましたか?
崎陽軒関連は何も説明はありません。差し入れがあったことについても説明はありません。
─「船会社から、検疫で運び込まれるのが遅くなり、沖に出る時間となってしまったため積み込みができなかった、という説明があった。12日は沖に出ていない」というツイートがありますが、12日に沖に出ていないというのは事実ですか?
12日の午前9時に横浜に帰ってきたところです。それからあとは船は海へ出ていません。
[via:ねとらぼ]
https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/8238/
乗客に届かなかったワケ
一体、何が起こっていたのか。地方紙記者は次のように話す。
「なぜこのようなことが起こったのか複数の要因があると思います。一番考えられるのは搬入されるシウマイ弁当を配膳するだけのマンパワーが船内のスタッフに残っていなかったということ。
接岸から約1週間、スタッフらは未曽有の事態への対応に疲れ果てています。3食の食材搬入のルーティンに加え、新しい仕事を追加する余地がなかったということが考えられます。
2つ目に、寄付された弁当で食中毒などの健康障害が起こった際、誰が責任を取ればよいのか不透明なことが考えられます。
乗客の持ち込みの食品と違い、『船に寄付され、船が乗客に提供する弁当』となってしまうからです。すでに体調を崩している乗客がこれを食べて、万が一にでもトラブルが起これば責任問題に発展します。
3つ目に、同船の乗客は日本人だけはありません。宗教上、シウマイ弁当の豚肉を食べられない乗客やスタッフもいます。
そのうえで配る人と配らない人を分ける作業は非常に煩雑ですし、ほしいのに配られなかった人がいた場合、トラブルになります。
横浜を代表するメニューで多くの人に好まれるおいしいお弁当ですが、全員に配るという計画はもともと難しかったのかもしれません」
[via:Business Journal]
https://biz-journal.jp/2020/02/post_141755.html
ネットの反応
・4000食何処へ行ったの?
・せっかくの好意なのにね。 残念すぎる。
・作った崎陽軒の方も気の毒過ぎる
・善意の空回り
・こんなときまでガチガチに規定通りやんなくても
・ヤクルトは無事届いたのにね。
・おシュウマイになってしまった
・差し入れは、日持ちするものが無難。
・崎陽軒があまりにも想像力不足で自己満 これは逆宣伝にしかならないぞ
・勝手にクルーの仕事を増やすなよって事
・売名でも偽善でも人助けのために動いたことはいいことだと思うけど、段取りが悪くてしくった感が否めない
・役人共が後付けで自分の都合のいいように法律解釈して責任の押し付け合い
・公務員の馬鹿さ加減極まれりだな
・現場は混乱中だろうから、仕方ないね。
・崎陽軒のスタンドプレー結局現場を混乱させただけに終わった
・検疫担当からしたら、ありがた迷惑だったんだろう。色々検査しないと持ち込めないし。
・自衛隊とか医者とか200人くらいは食べたらしいじゃん
・クルーの人達ただでさえ参ってんのにイレギュラーなことさせようとするなよ
・まさかこんな悲しいエンディングとは
・結果として大量の生ゴミ送りつけたのと同じになったな
お腹
お腹空いてきちゃった