“技術の日産”で起こったまさかの「新車無資格者検査問題」の影響で、同社が「“やっちゃえ”NISSAN」などのフレーズでおなじみのテレビCMの一部を自粛していることが明らかになった。
周知の通り、同CMは“ロック界のカリスマ”矢沢永吉(68)が出演している。矢沢といえば、この6月に都内で自動車接触事故を起こしたが、それでも継続していた名物CMだ。
だが、9月29日に発覚した今回の問題はあまりに重大なルール違反。さすがの矢沢CMでも引っ込めざるを得なかった――。
ある広告代理店関係者は「矢沢さんのCMのキャッチフレーズが“悪い冗談”に聞こえてしまうんですよ。今の矢沢さんには、CMを撮り直す時間もない。せっかく、自らの事故でも延命したCMでしたが、このまま“お蔵入り”するかもしれませんよ」と話す。
24日の読売新聞電子版では、無資格検査の問題発覚以前までは3週間で70回放送されていた矢沢のCMが、発覚後の3週間では1回のみだというCM総研のデータを紹介している。
西川広人社長が謝罪会見した直後の今月4~6日は、すべての日産CMが放送されなかったという。
矢沢は2015年から「“やっちゃえ”NISSAN」などをキャッチフレーズとする日産のCMに出演している。今年の6月に東京都港区の路上で自身運転の車がタクシーと接触。双方にけがはなかったとはいえ、CM継続が危ぶまれた。
ただ、自動車ライターによると「矢沢はタクシーに道を譲ろうとして接触したことが分かった。ドライバーとしてのマナーを守ったことで、日産はCMを継続させたんです」。
8月からは最新バージョン「ぶっちぎれ 技術の日産」編が流れていた。
その後、矢沢にとってスポンサーの日産が、国土交通省の立ち入り検査で、資格のない従業員に新車の検査をさせていた今回の問題が発覚していた。
「複雑な工程を経る自動車製造で、出荷前の最終チェックは最重要事項。
完成車の検査は各社で認められた“完成検査員”がするんですが、日産はその資格がない“補助検査員”にやらせていたことが判明し、約121万台のリコールを国交省に届けた。
問題公表後も、4工場で無資格検査を続けていたことが明るみに出て、約4000台のリコールを追加申請する。日産の不祥事は日本の自動車産業の信頼が問われる大問題に発展してますよ」(国交省関係者)
前出の広告代理店関係者が続ける。
「今回の不祥事は“技術の日産がやっちまった”と、悪い冗談に受け取られかねない。CMも、撮り直しか、打ち切りか、という声が社内から上がっていたようです。
しかし、22日に始まった矢沢の全国コンサートツアーは12月19日まで続く。あれだけのスーパースターですから、撮り直しの時間は作れませんよ」
今回の問題で、石井啓一国土交通相(59)は24日、日産に対し、車両の生産再開前に立ち入り検査をする方針を正式に表明した。
日産は問題公表後も無資格検査を続けたとして国内向けの新車出荷を停止。
石井氏は「不適切な取り扱いが度重なっている」と指摘し「完成検査を確実に実施できる体制が確保されたかを確認する必要がある」としており、日産ショックはしばらく尾を引きそうだ。
[via:東スポ]
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