今月7日、新潟市の小学生の女の子が殺害されJRの線路に遺棄された事件で、警察は、現場近くに住む20代の男が事件に関わったとして、遺体を遺棄した疑いなどで逮捕状を請求する方針を固めました。
調べに対し事件への関与を認めているということで、警察は、午前中から事情聴取している男の取り調べをさらに進め、事件の全容を解明することにしています。
今月7日の夜、新潟市西区のJR越後線の線路内で、近くに住む小学2年生、大桃珠生さん(7歳)が遺体で見つかり、警察は、下校途中に連れ去られ、電車にはねられる前に殺害された疑いがあるとみて捜査を進めています。
これまでの調べで、現場付近では、遺体が見つかる直前などに不審な白い車の目撃情報が複数あったほか、その後の調べで、事件前後に現場周辺を走行する黒い車が新たに確認されたことから、車内を詳しく調べるなど、捜査を進めていました。
その結果、現場近くに住み、当時、この車を運転していた20代の男が事件に関わったとして、遺体を遺棄した疑いなどで逮捕状を請求する方針を固めたことが捜査関係者への取材でわかりました。
調べに対し事件への関与を認めているということで、警察は午前中から事情聴取している男の取り調べをさらに進め、事件の全容を解明することにしています。
■黒い車 事件現場から南に3キロの道の駅で
事件前後に現場周辺を走行しているのが確認された黒い車は、新潟市西区にある道の駅「新潟ふるさと村」で14日午前、見つかりました。
道の駅は、事件が起きた現場から南に3キロほど離れたところにあります。
道の駅によりますと、14日午前7時ごろ、警察官から駐車場にある黒い車を移動するため、立ち会ってもらいたいという依頼があったということです。
駐車場には黒い軽乗用車が止まっていて、その左右を捜査車両やパトカーで囲んでいたということです。立ち会った川上克己副館長は「警察官は『乗っていた人は、警察署に連れて行った』と話していました。
どんな事件の捜査かは聞かされていませんでしたが、警察官たちは無線で頻繁にやり取りをしていて、ものものしい雰囲気でした」と話していました。
■現場周辺の位置関係
大桃珠生さんの遺体が見つかった現場は、新潟駅から西に6キロ余り離れたところにある住宅街です。大桃さんが通っていた小針小学校からは、北に500メートルほどのところです。線路の東側は新潟市水道局の青山浄水場の敷地で、西側は住宅街になっています。
近くに住む住民によりますと、線路脇の道路は夜は人通りがほとんどなく、街灯も少なくて暗いということです。線路には柵が設けられていて、その高さは大人の胸のあたりまであります。JR越後線は単線で、遺体が遺棄されたとみられる時間帯、上り電車と下り電車が10分間隔で交互に通過していました。
■捜査のポイント
警察は、現場に残された遺留品や不審な人物や車両の捜査を進めてきました。
大桃さんは、事件当日、5月7日の朝、不審な男に追いかけられたということです。
友達に「朝、黒い服を着てサングラスをかけたおじさんに追いかけられた」と話していました。黒い服とサングラスの男。現場周辺では、去年9月にも、特徴がよく似た男が目撃されていたということです。
現場近くでは、不審な車が相次いで目撃されていました。遺体が見つかる直前の午後10時20分ごろ、電車の運転士が、現場近くの線路沿いの道路に白いワゴン車が止まっていたのを目撃していたということです。
さらに、その30分前、午後9時50分ごろにも、白っぽいバンタイプの車が線路をはさんだ反対側で目撃されていました。ヘッドライトをつけたままとまっていたということです。
大桃さんが事件当日、下校した時には持っていた「ピンク色の傘」。
しかし、その傘が遺体が見つかった現場にはなかったことが分かっていました。何者かが大桃さんを連れ去るなどした際に持ち去った疑いがあり、犯人につながる可能性もあると見て捜査していました。
そして、現場の線路に散らばっているのが見つかった大桃さんの所持品のうち、キャラメル色のランドセルから、家族以外の指紋が検出されていました。
警察は、容疑者の特定につながる可能性もあると見て解析を進めていました。
■殺害してから線路に遺棄か
大桃珠生さん(7歳)が小学校を下校したのは、5月7日の午後3時すぎでした。
大桃さんは、学校から踏切まで300メートルほどの大通りの中ほどで友だちと別れたということです。その後、大通りを1人で歩き、踏切を渡ったあと、線路沿いの道路を1人で歩いているのが住民に目撃されていました。
しかし、自宅には帰って来ず、午後4時20分ごろ、保護者から学校に「子どもが家に帰ってこない」と連絡がありました。学校では、およそ20人で通学路を中心に探しましたが見つからず、午後5時20分ごろ、母親が警察に捜索願を出したということです。
およそ5時間後の午後10時20分ごろ、JR越後線の新潟行きの下り電車が小針駅を出発し、大桃さんの遺体が見つかった現場を通過していました。その際、異常はありませんでした。
しかし、この10分後の午後10時半ごろ、今度は、上りの電車が現場を通り過ぎた際、大桃さんをはねました。電車の運転士は「線路脇に人が横たわっているのが見えた。急ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しています。
警察は、午後3時すぎの下校途中に、何者かが大桃さんを連れ去って殺害し、電車にはねられる前の10分間に、遺体を線路に遺棄したと見て捜査していました。
[via:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180514/k10011438001000.html?utm]