インド洋のモーリシャス沖で日本の貨物船から大量の重油が流出した事故を受け現地では海岸に漂着した油を取り除くために今あるものが注目されています。
今月12日、モーリシャスの住民がSNSに投稿した画像で並んで立つ長髪の2人の子供。
次の画像では2人の髪が短くなっています。笑顔の2人が手にしているのは切り取った自らの髪の毛です。コメント欄には「髪を伸ばしたいと思っていたけど海を救うために切りました」と書かれています。
実は今油の流出事故を受けてモーリシャスの住民の間では自らの髪の毛を提供する動きが広がっているというのです。
地元メディアなどによりますと、髪の毛は油を吸収しやすいため油を効率良く取り除くことができるといいます。集められた髪の毛はストッキングなどに入れ、スポンジの様にして使うということです。
事故をめぐっては船の燃料油およそ1000トンが流出し、広い範囲で海岸への漂着が確認されています。
[via:日本テレビ系(NNN)]
https://www.news24.jp/articles/2020/08/17/10701138.html
真っ二つに分断した「わかしお」
重油拡散防止へ“髪の毛”
先月26日、「わかしお」は陸から約2キロの場所で座礁し、この影響で約1000トンもの重油が流出した。大量の油は島まで流れ着き、モーリシャスが誇るマングローブも真っ黒に。人々は重油まみれになりながら回収に追われている。
そんな中、島への漂着を少しでも防ぐため立ち上がったのが、地元住民。
サトウキビの葉などを利用したオイルフェンスを海に浮かべ、重油の拡散を防ぐ作業が続けられている。また、このオイルフェンスの材料として使われている意外なものが…「髪の毛」だ。
現地邦人が語る現状と支援
「“髪の毛のフェンス”。髪の毛は重油の吸着が強いそうなんです」
こう話すのは、モーリシャス在住19年で、旅行関係の仕事をしている村野アナンディー百合さん。
村野さんによると、現地では自分たちの大切な海を救うため、自らの髪の毛を切る住民が相次いでいるという。村野さん自身も肩より長かった髪の毛を切った。
「13日の時点で3.5km分のフェンスができていると。16日午後の時点でタンカーのオイルが全部ポンプで上げられてなくなったので、今フェンスの作業はストップになりました。
流れ着くのを防ぐためのフェンスだったので、今は流れ着いてしまった残りの重油をどうやって撤去していくかということに重点が置かれ始めています」
今回の事故について、モーリシャス政府は環境や経済に影響が出ているとして、貨物船を所有する長鋪汽船に賠償を求める方針だとAP通信は伝えている。
マングローブも重油まみれ
現地に住む日本人として、この事故をどう受けとめているのか。村野さんは
「日本の船ということでびっくりしたのと、タンカーがすごく大きかったのと、入っている重油が多かったこと。重油がこれ以上海岸に来ないように、被害が増えないようにということをモーリシャスは考えているので、日本人として一緒に何ができるのかということを考えました」
と話す。また、現地の日本人が置かれている状況については、
「モーリシャスに住んでいる人から何か(言われる)というよりも、自分自身の気持ちがすごくモヤモヤして、つらい部分はあります。
モーリシャスの方たちは、今は人を責めるよりもとにかく重油が海岸に着かないように、きれいな海を保とうと。海が汚れてしまうのが今後のモーリシャス経済にとって一番大変なことなので、日本人に対してどうこうということはあまり聞いていないです。
日本の船というよりも『わかしおはなぜこうなったんだ』ということは話されていますが、早く重油をなくしたいということで、みんなで協力しあっています」と説明した。
そんな中、モーリシャス日本人会「MONIKA」が寄付を募っているクラウドファンディングがほぼ達成状況にある。モーリシャスへの支援の形について村野さんは、
「重油の件で知ってもらったかと思いますが、日本でできることは何かと考えた時、もちろん援助・募金というのもあるんですけど、それよりもモーリシャスをもっと知っていただいて、今後日本から動ける時にモーリシャスに来ていただけるのが、今後の復興につながっていくのかなと思います。これをきっかけにいい方向にいくといいなと思っています」と思いを語った。
[via:ABEMA TIMES]
https://times.abema.tv/posts/8620262
【関連リンク】
モーリシャス日本人会 “MONIKA”モーリシャス在留邦人による情報提供・支援サイト
【関連リンク】※英文
モーリシャス原油流出洗浄2020-MV WAKASHIO|クラウドファンディング
オイルを吸着するという「髪」のドネーション
船長と副船長を逮捕
インド洋のモーリシャス沖で貨物船「わかしお」が座礁し、大量の重油が流出した事故で、モーリシャスの警察当局は18日、安全な航行を怠った疑いで、船長と副船長の2人を逮捕したと明らかにした。
当局者はロイターに対し、2人は裁判所に出廷後、保釈が認められず、現在も拘束されているとした上で、「座礁の5日前に設定された航路に誤りがあった。
航行システムが誤りを警告したはずだが、乗組員らは無視したとみられるほか、座礁時に遭難信号(SOS)を発信しておらず、沿岸警備隊からの呼び掛けにも応じなかった」と述べた。
乗組員らが当時、船内で誕生パーティーを開いていたとの報道に関しては、取り調べを行ったと認めたものの、誕生パーティーがいつ開かれていたかは定かでないとした。
[via:テレビ朝日系(ANN)]
https://news.yahoo.co.jp/articles/9e1290bf4507a1a1a5bcb83457d6a1e6d4b07396
誕生パーティーでWi-Fiに?
「Wi-Fiに接続するため、島に接近」。
これは、乗組員3人が捜査当局に話したもの。記事によれば、座礁直前となる先月25日夜、船員は「乗組員の誕生日」を祝っていたといいます。さらに、Wi-Fiに接続するため船で陸に近付いたというのです。
情報端末をインターネットなどに接続するWi-Fi。専門家によれば、規格は世界で統一されています。
ITジャーナリスト・井上トシユキ氏:「よほど条件が良いと200から300メートルは(電波が)いくんですけど、洋上で乗組員の人々がプライベートでネット(Wi-Fi)を使うのは、かなり難しい」
中国からブラジル方向に向かっていた、わかしお。モーリシャスでは陸から20キロ以上離れて進むはずでしたが、実際は2キロ弱の地点で座礁しました。その原因は、Wi-Fiなのか。
ただ、複数の「海運会社」によれば、船には一般的に「衛星」を使った「インターネットのシステム」が載せられています。「船員も使える」ケースがほとんどだといいます。
[via:テレビ朝日系(ANN)]
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e2d4f52901831859b1272cb494961562de8993c
自然の回復に数十年
モーリシャスは、観光業に頼る小さな島で、手つかずの美しいビーチや海、多様な野生動物が自慢だ。
この事故は、絶滅の危機に瀕していた鳥や希少植物などの保全に35年以上取り組んできた自然保護区からおよそ2kmの場所で起きた。流出した油はブルー・ベイ・マリーン・パークに迫り、多くの種の魚やカニが死んでいるそうだ。
また、湿地帯でもマングローブなどに被害が出ている他、蓄積した重油によりサンゴも死滅し、土壌汚染が鳥や昆虫などに中長期的な影響を及ぼすことが懸念されている。
市民が一丸となって、流出した油の広がりを阻止しようとしているのは、すばらしいことだが、一度汚れてしまった海をもとに戻すことは大変な作業だ。
現地の環境保護団体「モーリシャス野生生物基金」によると、自然が元のように回復するには数十年かかる可能性があるという。
海をきれいにする画期的な技術が生み出されるか、船から油が流出しない技術が生み出されるか、あるいは我々が石油に依存する生活を変えないかぎりは、また悲劇が繰り返されていくのだろうか?
[via:カラパイア]
http://karapaia.com/archives/52293648.html
ネットの反応
・とんでもないことになってるな
・Wi-Fi 目当てで座礁…。これが本当のことならば地元の人にとってはいい迷惑だね。誠意ある対応を…。
・本当かどうかは調査結果を待つが、意図的に海岸線に近づこうとしない限りは、起こりえない事故。
・ホントなら完全に人災。
・先ずは船員全員謝罪も兼ねて坊主にした方が良い。
・賃金の安い海外の労働者を使って逆に高くつきましたね
・人の髪の毛や動物の毛皮が、油を沢山吸収するので、モーリシャスではヘアカットを無償提供したり、フランスは20トンの髪の毛を輸入すると約束した。日本も寄付しようよ。
・日本中の美容院で集めて、どこかに集約させて送れないかな。
・この事件はもう少しメディア(特に地上波)で取り上げるべき。
・フランスはもとより、インド政府等、協力を政府が表明しているのに、当事者の日本政府は何の発信もなく、、これが先進国のする事かと、衝撃を受ける。
・これ、色んな記事で商船三井ばっかり言われてるけど、商船三井はチャーターした側であって管理者は別会社なんだよね…
・何だかんだ理屈を言ったところで、現地や海外の国から見れば、日本の船としか見ません。今は人的支援、技術的支援が急がれています。日本政府が早急に応援し、その費用を船会社に請求すればいい。
・このような事故のときに、日本は迅速に対応しないと、世界からの信用を失うよ!
・被害にあわれた国やそこで生活している人のことを思うと、いたたまれない。船の所有企業はどうみてもあてにならんし、商船三井も中途半端な立場であまり首を突っ込まないのだろう。ここは日本政府はもっと積極的に関わって欲しい。
・誰の責任とかって話じゃなく、少しでも日本に関わることで起きた事故だし、モーリシャスの方たちのことを考えると、何かしら日本人が支援できる方法を考えて欲しいです。よりによって、世界中がこんな時期に…。
油だけを吸い取る特殊繊維 現場へ
日本の貨物船がインド洋の島国モーリシャスの沖合で座礁し、大量の油が流出している問題で、油だけを吸い取る特殊な繊維を使った吸着材が日本の企業から現地に送られることになりました。
東京・大田区の繊維メーカー「エム・テックス」は、油だけを吸い取ることができる、特殊な繊維の製造で特許を持っていてこの繊維を使った吸着材を生産しています。
吸着材は、去年8月の佐賀豪雨で佐賀県大町町の鉄工所から油が流出した事故でも復旧作業に使われていて、今回は1200リットル分の油を吸い取れる量を支援物資として送ることになりました。
19日、派遣される国際緊急援助隊の専門家チームの第2陣が現地に届けることになっています。
エム・テックスの竹ノ下友基部長は、「事故が起きたあと、何かできないかという思いがあった。美しい環境で、今回の事故が起き、現地の方々は大変な苦労をされていて、メイドインジャパンの技術を役立ててほしい」と話していました。
[via:NHK NEWS WEB]
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200818/k10012572701000.html
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家庭で流されてしまった油は、排水管や下水管の中でオイルボールとなって管を詰まらせたり、悪臭の原因となってしまいます。また、ぬるぬるした油汚れのお掃除は誰だって面倒なもの。こういった油掃除の悩みを解決するのが『ベルサイユのわた』です。
『ベルサイユのわた』は弊社独自のナノファイバー量産技術で作られた新素材「マジックファイバー」と、主婦世代に人気の高い『ベルサイユのばら(Ⓒ池田理代子プロダクション)』をコラボレーションして誕生。抜群の吸着性をもち、水をはじき油のみを素早く吸収します。
※『ベルサイユのわた』の由来は【ベル採油】=採油=あぶらをとる、という思いつきのギャグからのコラボとのこと。
ネットの反応
・メイドインジャパンの技術を役立ててほしい
・一般商品にもあるんだ、しかもベルサイユのわたw
・ベルサイユのわた!頑張れ!油とれる!
・トレたま大賞がモーリシャスの海を救うかも…!
・大田区町工場の底力を垣間見た気がしました。
・日本の技術って凄いなって感心してたら商品名が「ベルサイユのわた」で盛大に吹いたw
・モーリシャス島に派遣されているフランスからの専門チーム、日本から届いた謎の油吸着材が「ベルサイユのわた」だと知った瞬間「は?」って言ってそう。
・昨年の『花詩歌タカラヅカ in YOKOHAMA 』でお客様にお配りしました。
・たしか家人が黒木瞳さんのトークショーに行ったときにお土産でいただきました。
・この騒ぎでベルサイユのわたを目にするとは思わなんだ
・このネーミングはどうかとおもうけど、モーリシャスの現場で役に立って日本の文化を誤解させて広めてほしいw